361.【ペーパードライバー】車の運転が、極端に苦手。【僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。第40回】
2023/09/16
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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昨日、車のレースを題材にした映画『グランツーリスモ』を観に行った感想を書きました。このように、私は車に関心があります。
しかし、現在はいわゆる「ペーパードライバー」であり、自動車免許を所持していながら普段は車の運転をしません。
それは多くの人々が「あたりまえ」にできている車の運転が、私にとっては非常に難易度が高いものだからです。このことは私がASDやDCDの特性による凸凹で生きづらさを抱えていることを説明するためにわかりやすい事例の一つでしょう。
本記事では、私がなぜ車の運転が極端に苦手(凹)かを自己分析したものをご紹介いたします。
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1.臨機応変な対応が求められる
車の運転を行う上で、その道路状況のパターンは無数にあり、同じ道路であってもその状況はそれぞれであり、事前に予測がつかないパターンの道路をその時に臨機応変に対応して運転することが求められます。
私は、見通しがつかないことに対応することが極端に苦手(凹)な傾向にあります。
自動車学校での教習では、教官の方のご指導により自動車学校内の決まったコースを走行し、仮免許取得後の公道での走行でも教官の方のご指導のもと、パターン化されたコースを走行し、練習を重ねった上で試験に臨みますので、ある程度対応できます。
しかし、運転免許取得後に自分でいろいろな道を走る際には、様々な道があり、様々な道路状況があります。それをその場で咄嗟に判断し、走行しなければなりません。このことが、私がかなり苦手(凹)とする能力なのです。
多くの人々は、実際に走りながら学んでいけると思いますが、私はこちらの記事でも述べたように、多くの人々が自然に修得できることが修得できないことがあります。私は言語能力は問題ありませんので、言語的にいろいろと学ぶことはできるのですが、実践して「体で学ぶ」ことがうまくできないことがあるのです。
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2.他者の行動に合わせなければならない
私は他者の行動に合わせることが苦手(凹)です。しかし、車の運転する上ではその道ごとに「流れ」があり、その流れに乗らなければなりません。他の車や歩行者はそれぞれ予測できない動きをする可能性がありますので、常に気にかけておかなければなりません。
車の運転をすること自体は楽しく、誰もいない道であればある程度問題なく走行することができるでしょう。しかし、そういうわけにはいきません。
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3.不器用
そして、私はマイペースで動きがゆっくりな傾向にあります。そのため例えば駐車場などで、私が早く停車しなければならない場面に遭遇した際は焦ります。
私はDCDの特性もありかなり不器用ですので、このような時に焦って他の車や歩行者にぶつかる可能性があります。自分自身だけに被害があるならまだしも、他者を傷つけることは絶対にあってはなりません。そのような危険性もありますので、私は普段から車を運転しません。
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主に、これらの理由があり、私は普段から車を運転せず、いわゆるペーパードライバーとなっております。
免許取得前から私は車の運転は得意ではないとわかっておりましたが当時大学生の私は周りに流されやすい傾向にあり、周りの学生が免許取得に励んでいるため自分もと思い取得いたしました。ちなみに自動車学校での運転技術の上達も、少し時間がかかりました。追加で運転講習を受講した記憶があります。
免許を返納するという選択肢もあるのですが・・・、現在はペーパードライバーです。
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しかし私のような人々にとっても車の運転を楽しむ技術がどんどん発展しております。
冒頭でご紹介した映画『グランツーリスモ』は、同名のレースゲームを題材にしております。私もかつてこのゲームをプレイし、ゲーム内で車の運転を大いに楽しみました。現在は本当にリアルな、ゲームを超越した「ドライビングシミュレーター」といえるものとなっているようです。
さらに実際の運転でも、自動運転の技術が発展してきております。自動運転であれば、私のような車の運転が極端に苦手(凹)な人々でも実際に車に乗って移動することができます。
苦手な特性をカバーできる技術がどんどん出てきており、将来は明るいものになるだろうと希望を持っております。
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本記事では私が自らペーパードライバーであることを公表し、なぜ車の運転が極端に苦手(凹)かを述べました。
私のように特性上、車の運転が極端に苦手な人もいますから、ペーパードライバーであることは決して恥ずかしいことではありません。
これだけ詳細に分析できるほどの言語能力がありながら、車の運転がうまくできない人もいるのです。私は現在30歳で、一般的に80歳の方に比べると大幅に体力があるはずです。しかし、80代でも問題なく運転をしている方がいる一方私はできないので、不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
多くの人々が「あたりまえ」にできることが、できないことがあるのが私のようなASDやDCDの当事者なのです。
もちろん、私は当事者の一例ですので、逆に車の運転が得意な当事者もいることでしょう。
しかし、私と同じように周りが「あたりまえ」にできる車の運転ができないことに悩んでいる方々やその周りの方々の一助になればと思い、本記事を執筆いたしました。
それでは、本記事をお読みいただき誠にありがとうございました。