370.ASDでも、留学できた。【僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。第41回】
2023/09/19
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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今回は、私がASDやDCDの特徴がありながらも、約1年間イタリアに留学できたことについて述べます。
私はASDやDCDの特徴もあり、極端に不器用で人付き合いが得意ではない(凹)傾向にあります。
元来、積極的に行動できるタイプではないため学校に馴染むことができなかった高校時代までの私からすると、留学をすることができるようになったのは驚くべきことでした。
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私の場合は大学入学のために1年間浪人した期間があり、その期間中の孤独との戦いで人と関わりたいと強く思いました。
その結果、大学ではイベントやサークル活動などに積極的に参加するようになり、「知り合い」レベルの人間関係であれば築けるようになっていました。
私は幼い頃英語の習い事をしていたこともあり、英語に慣れておりました。このこともあり、語学や国際交流などにかつてより積極的に取り組みました。
TOEIC890点を取得するなど、語学の面で頭角を現していた(凸)私を見てくれた大学の先生方のお力もあり留学の準備にご協力いただき、イタリアの「水の都」、ヴェネツィアに約1年間留学いたしました。
このことで初めて親元を離れることとなりましたので、心配事もたくさんありました。私は鈍いところがあり治安が悪い地区にうっかり入ってしまう危険性が高いです。しかし、ヴェネツィアは街自体が世界遺産として保護されており、治安が良く穏やかな街です。そのことも決め手となり、留学を決意いたしました。
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留学先でも、相変わらず「知り合い」レベルの人間関係は築けるものの、なかなか人々と仲を深めることは私には得意ではありません(凹)。それでも自分なりに、留学生活を楽しみました。
結果的に、留学により日本を離れてイタリアに約1年間滞在することにより、イタリアをはじめとする世界中から来ていた留学生との交流はもちろん、日本以外の環境を知ることにより、日本の良さも改めて知ることができました。
留学により、この世界には多様な人々がいることを、肌で感じることができました。留学して、本当に良かったと思っております。
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このように、ASDでDCDの私でも、留学できました。
同じくASDやDCDの当事者の方で、留学に興味はあるものの一歩踏み出せない方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、人間関係をうまく築くことができない私でも、なんとかなりました。行ってみれば、ある程度なんとかなります。
ただし、ASDやDCDの特性は人それぞれ異なり、留学には明らかに不向きな方もいるかもしれません。くれぐれもご無理はなさらないでください。
それでも中には、ASDの特性を活かして海外に長期滞在して高い研究実績を出している日本人の学者の方々もいるかもしれません。本当に人それぞれなのです。
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つまり、ASDでも私のように留学できる人もいますから、「ASDだから、留学できない」と決めつけてはならないのです。
もし皆さまの中で、留学に興味がある方、興味はあるけど一歩踏み出せない方がいらっしゃいましたら、こちらからお気軽にご連絡ください!少しでもご連絡してみたいというお気持ちがございましたら、ご連絡するべきです。
本記事が皆さまのお役に立てたのであれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。