112.イタリアのヴェネツィアに留学し、更に多様な人々を知る。【僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。第19回】
2023/05/25
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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大学入学後に、それまでより速いペースで語学力、特に英語力を身につけた(凸)私は、留学にも興味が湧いてきました。しかし、人間関係が得意ではなく(凹)、親元を離れて一人暮らしもしたことがなかった私にとっては大きな挑戦でした。
その中で、大学が交換留学先として提携している大学の中に、イタリア・ヴェネツィアにあるカ・フォスカリ大学が加わりました。水の都と呼ばれているヴェネツィアは島にある街で、車もほとんど走っていない穏やかな街です。そして街自体が世界遺産に登録されていることもあり、治安が良い街です。この街であれば大丈夫かもしれない、と思い、留学を決意いたしました。
私は海外どころか、国内でも一人で旅行した経験はありませんでした。しかし、留学の準備の過程で東京や大阪を訪れる機会があり、これは良い練習となりました。そうではあるものの、異国の地で約1年間生活することは、簡単なことではありません。それでも大きな一歩を踏み出しました。
留学先の大学で受ける授業は英語で実施されるものの、現地で生活するにはイタリア語の習得も不可欠です。おかげでイタリア語も日常会話程度ならできるようになりました。
現地ではイタリア人はもちろん、世界中から留学生や観光客が来ており、イタリアにいながら世界中の人々と交流することができました。その中で、この世界には多様な人々が生きている、ということを肌で感じることができました。この経験は、貴重な財産となりました。
もちろん、日本人学生もいました。日本各地から留学に来ていました。私は家族と会話するときは長崎弁なのですが、そうでない場合は標準語なので、日本の方から地方出身ではなく東京出身だと思われたのは、微笑ましいエピソードです。
こうやって、様々な人々と交流できるようになったのは、極度の人見知りだった幼少期と比べると考えられないほどの成長と言えるでしょう。仲を深めることには困難がありますが、知り合い程度の交流であれば。できるようになってきました。
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ヴェネツィアは、本当にいい街です。
トップページでおなじみのこちらの写真は、ヴェネツィアにあるサンタ・ルチーア駅前で撮影した虹です。まだ留学が開始して間もない頃の写真なこともあり、綺麗な虹を見ることができて非常に嬉しかったのを覚えています。
こちらの記事では、このサンタ・ルチーア駅からヴェネツィアで最も有名な観光地であるサン・マルコ広場までの散歩コースをご紹介しています。ヴェネツィアでの主な移動手段は徒歩なのです。もともと歩くのが好きな私には本当に相性の良い街でした。
留学から帰ってきてからはまだ一度も訪れていないのですが、これからの人生で、是非また何度も訪れたい街です。人生経験を積んでから再び訪れるヴェネツィアは、あの頃とは違った表情を見せてくれることでしょう。
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今回は、私のイタリア・ヴェネツィアでの留学経験について述べました。この記事に関するご質問や、他に「このことについて書いてほしい」などのご要望がございましたら、いつでもこちらからお気軽にご連絡ください。