415.折り鶴が、折れない。【僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。第42回】
2023/10/08
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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私は、ある分野では高い能力を持ちますが(凸)、その反面ある分野では能力が著しく乏しく(凹)、「あたりまえ」とされていることができないことがあり、そのことによりできる仕事が限られることなど、生きづらさを抱えることがあります。
こちらの記事でご紹介した私が車の運転が著しく苦手(凹)なことは、その一例です。私にとっては車の運転を問題なくできるようになることより、新たな外国語を一つ習得するほうが断然に簡単なことでしょう。それほど、私には能力の得意不得意(凸凹)の差が激しいのです。
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今回は、折り紙についての話題を取り上げます。
皆さまは、紙飛行機や折り鶴をその場で、何も調べずに折ることはできるでしょうか。
多くの方が折ることができることに、私は驚きです。
私はDCDの特性もあり、手先が著しく不器用なため、折り紙を折るという動作が本当に苦手(凹)です。
主に幼稚園や小学校で折り紙を折る機会が何度もありました。しかし、私は上手に折ることができませんでした。無理やり折ってみても、できたものはかなり不格好なものでした。折り鶴や紙飛行機よりかなり簡単とされる『パックンチョ』ですら、不格好でスムーズにパクパクできるものではありませんでした。
このように、私は折り紙があまりにも苦手でした。その後、中学や高校でも、長崎に住んでいることもあり平和学習の一環で折り鶴を折る機会があったと記憶しておりますが、私は折れず、周りの生徒のほとんどが問題なく折れていたことに強い劣等感を感じていたことを記憶しています。
しかし現在は、このような私の特性を受け入れ、「折り鶴を折れなくてもいい」と劣等感はありません。苦手な折り紙がある程度できるようになるより、私が得意な分野をどんどん伸ばしていくほうが有効だと考えております。
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それに対しパソコンや楽器なども手先を使って動かすものですが、こちらは何も問題がありません。
これは、折り紙の動きは不規則で、パソコンや楽器の動きは規則性があるからだと自己分析しております。
このように、私は規則性があるものにはある程度対応できます(凸)が、不規則なものに臨機応変に対応することが苦手(凹)なのです。