416.小説『おれたち、鶴咲サンクス!』第8話 路面電車で、ぶらり。
2023/10/09
※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。
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羅門譲は、朝食を食べ終えた後準備して、外出した。
羅門は基本的にバイクでいろいろなところを移動するのだが、今日はなぜか路面電車に乗りたくなった。
羅門の伯父宅の最寄り電停は、野麻町電停だ。ここから考慮橋電停まで路面電車で移動する。
考慮橋とは、鶴咲の繁華街だ。江戸時代にはここに賭博場があったことから、賭け事をして良いか人々が考慮したことから名付けられた。もちろん現代には賭博場はなく、橋自体も暗渠となってしまってその役目を終えたのだが、その地名は今も鶴咲に残っている。
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「(Today、今日も観光客で賑わっているな。)」
今日は日曜日なこともあり、路面電車の中は観光客が多い。
「えー、つぅぎぃはぁ~、鶴咲駅前~、鶴咲駅前~。」
運転手の方の声が社内に響き渡る。
「(Wow、おれと同じく、革ジャンを愛してそうなguy、ヤツが乗ってきたな。)」
短髪の、濃い茶色の革のシングルライダースジャケットを着た男が乗ってきた。年齢も羅門と同じ20歳くらいだと思われる。
羅門は、ちょうどこの男と向かい合わせになった。黒革のダブルライダースジャケットの羅門と、茶革のシングルライダースジャケットのこの男が向かい合う。
「(お、this guy、コイツもおれに興味を持っているのか、ずっとおれのほうを見つめているぞ。)」
羅門はサングラスをかけているため、この男を見つめていることが相手にはバレていない。
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「え、つぅ~ぎぃ~~~~~~はぁ~~~~~~~、考慮橋~、考慮橋~。」
<ピンポーン!>
羅門は停車ボタンを押そうとしたが、この男に先を越された。この男も考慮橋で降りるようだ。
羅門は、この男の後ろについていって考慮橋電停で降りた。
「あの・・・。」
降車後、この男が羅門に話しかけてきた。
「What、何だい?」
「髪の毛に・・・レシートみたいなのがついてますよ。」
すぐに羅門はその伸ばしている長髪の髪の毛を調べてみると、確かにレシートがついていた。部屋のベッドに落ちていたものが、出かける直前にベッドでくつろいでいたときについてしまったのかもしれない。
「Wow、これは気づかなかった。Thanks、ありがとう。」
「それでは!」
この男は、羅門にこれを告げるとすぐに去っていった。
「(なんだ、おれのファッションにinterest、興味を持ったわけじゃなかったのか・・・。まぁいいか。)」
こうして羅門は、考慮橋界隈をうろつくのであった。
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つづく
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