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233.【令和5年大相撲7月場所13日目】伯桜鵬関、これはすごい!

2023/07/21

※私は相撲に本格的な興味を持ったばかりのため、表記などに誤りがある可能性がございます。温かい目で見守っていただけると幸いです。相撲初心者ならではの視点をお楽しみください。

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名古屋場所13日目には、本当に興奮してしまった一番がありました。後ほどご紹介いたします。

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まずは幕下の石崎が、十両の英乃海関に挑んだ一番です。現在幕内筆頭の翔猿関の実兄としても知られる英乃海関。石崎の粘り強い右四つの姿勢に、なかなか攻撃が決まらない英乃海関。結果的には、粘り強い石崎の勢いに押し出されて、英乃海関は黒星となり、負け越しが決まりました。石崎、これで新十両に向けて大きく進歩した勝ち星となりました。仮に他の力士との兼ね合い次第で次場所十両昇進となった場合は、関をつけて呼ぶことができますね。その時には、新たな四股名になっているかもしれません。次場所が幕下でも十両でも、新たに応援してみたいと思える粘り強い相撲を見せてくれた、本日の石崎でした。

玉正鳳関に挑んだのは、新十両の獅司関です。こちらで獅司関が勝利し、勝ち越しを決めました。13日目での勝ち越し、おめでとうございます。あと2日、更に勝ち星を伸ばせるよう、応援いたします。

欧勝馬関と美ノ海関の一番も、見ごたえがあるものでした。すぐには勝負が決まらず、お互い一進一退の相撲が進んでいきました。一時期土俵際に追い込まれた美ノ海関が回り込んで形勢を逆転した場面は印象的でした。そこからは流れは美ノ海関に向かっていき、はたき込んで美ノ海関の白星となりました。沖縄出身で、美しい海という意味の沖縄の言葉「美ら海(ちゅらうみ)」が四股名の由来になっている郷土愛溢れた四股名の力士です。沖縄の相撲ファンの方々は、本日の充実した一番を観て盛り上がったことでしょう。

友風関と熱海富士関の現在十両勝ち星上位同士の対決は、熱海富士関が勢い溢れた猛攻により友風関を押し出して、すぐに決着がつきました。これで両者、10勝3敗で並びました。十両の優勝争い、盛り上がって参りました。熱海富士関としては、優勝して幕内復帰を決めたいところですね。

そして輝関と大奄美関の一番では、輝関が土俵際でのこした場面に会場が沸きましたが、大奄美関が引き続き果敢な攻めにより輝関を押し出して9勝4敗としました。この大奄美関、明日は熱海富士関と対戦することが決まっており、十両における優勝争いが絡む注目の一番となりました。

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幕内では、新入幕の豪ノ山関が剣翔関に挑み、豪ノ山関は一時期土俵際に追い込まれるも、のこしてからは剣翔関を押し出して、勝ち越しを決めました。これで今場所新入幕の豪ノ山関・湘南乃海関・伯桜鵬関のすべてが勝ち越しを決めたことになります。新入幕にして十分な活躍を見せる力士たちの今後にも目が離せません。

遠藤関と北勝富士関の一番では、北勝富士関が遠藤関を寄り切り、これで11勝2敗となりました。優勝争いの先頭を走る北勝富士関、このまま逃げ切るのか注目いたします。

湘南乃海関が挑んだのは、錦富士関です。その取組自体は10秒もかからないうちに終わったのですが、物言いがついて錦富士関のかかとが先に土俵から出ていたかどうか、という議論が長い時間行われました。その結果、錦富士関が先に土俵から出ており、湘南乃海関の勝ちとなりました。今回の物言いでも土俵上で審判たちが協議いたしました。本日の審判長を務め、協議の説明をしたのは大関・魁皇関として長年ご活躍した浅香山親方でした。その出身地・福岡県直方市の直方駅には魁皇関の像があるそうで、いつか機会があれば観に行きたいものです。また、その直方駅と博多駅を結ぶ特急列車『かいおう』も魁皇関が名前の由来ということが驚きです。それだけ、直方が誇る英雄として長年大関としてご活躍された方だということがうかがえます。こうやって本日も審判長として浅香山親方が登場すると、魁皇関としてのご活躍をよく知る長年の相撲ファンは嬉しいことでしょう。

36歳・妙義龍関と38歳・玉鷲関のベテラン同士の対決では、引き落としにより玉鷲関に軍配があがり、これで玉鷲関は勝ち越しとなりました。この年齢にして勝ち越して再び番付を上げていく様子に、同じくベテランの域に入っている力士の方々は刺激を受けているかもしれません。

翠富士関と髙安関の一番では、髙安関がはたき込んで久しぶりの白星となりました。6日目から12日目まで7連敗として勝ち越すためにはもう後がない状態となってしまいましたが、本日は勝ちました。残り2日目も勝って、勝ち越しを決めたいところですね。

長崎県出身の平戸海関は御嶽海関を寄り切って白星となり、5勝8敗といたしました。残念ながら負け越しは決まっているものの、秋場所に向けて残り2日も良い相撲ができるよう、長崎から応援しております。

正代関は、休場後昨日から再出場している朝乃山関との一番でした。組み合った際の「パチン!」という音が特に大きく感じた一番でした。朝乃山関、本日も正代関を圧倒して寄り切り、昨日に引き続き白星となりました。勝ち越しまであと2連勝、応援いたします。朝乃山関は一時大関まで登り詰めるも、いろいろなことがあり三段目まで落ちた番付を、再び幕内まで上げてきたこともあり応援しているファンは多い力士です。

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伯桜鵬関、これはすごい!なんという快進撃!

大きな文字、失礼いたしました。それだけ、鳥肌が立つ一番でした。本日、前日までで9勝3敗としていた伯桜鵬関が挑んだのは、今場所勝ち星で先頭を走る前日までで10勝2敗としていた錦木関でした。優勝争いといえるこの対戦に注目していた方々は多いことでしょう。錦木関の重みのある体に、思いっきりぶつかる伯桜鵬関。その後錦木関の猛攻に土俵際まで追い込まれるも、執念で伯桜鵬関はのこしました。その様子に、会場は大いに沸いており、私も鳥肌が止まりませんでした。その後左四つの姿勢でしばらく組み合う両者。勝機を探して勝負を仕掛けたのは伯桜鵬でした。内掛けが決まり、伯桜鵬関の白星となりました。今場所の前半、金星を含む大活躍を見せていた錦木関をも破った伯桜鵬関、まさかこのまま優勝してしまうのか、と思わせる見事な相撲でした。本当に素晴らしいです。まだ19歳にして、このような類まれない実力のある伯桜鵬関の快進撃を観ることができて本当に良かったと思えました。明日はこれまた優勝争いの先頭にいる北勝富士関との一番。どちらに軍配があがるのか、本当に注目の一番となりました。

若元春関と大栄翔関の関脇同士の対決は、若元春関のはたき込みが決まりました。これで若元春関は9勝4敗、大栄翔関は8勝5敗となりました。残り2日も、3関脇のご活躍を応援いたします。

そして結びの一番は、関脇・豊昇龍関が新大関・霧島関に挑む形となりました。この一番では豊昇龍関が霧島関を圧倒しており、最終的には霧島関を寄り切って、豊昇龍関の白星となりました。これで豊昇龍関は10勝3敗です。これであと2日も勝てば12勝3敗となり、大関昇進が濃厚と言えるそうです。対する霧島関は、勝ち越しまで後がなくなりました。初日は休場していたなか途中出場したからには、勝ち越しを決めてカド番を回避したいと思っていることでしょう。明日は同じく今場所休場していた時期がある朝乃山関との一番だそうで、こちらも注目いたします。

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本日はなんといっても、伯桜鵬関が物凄い相撲を取っており鳥肌が止まりませんでした。好調の錦木関相手にあそこまで良い相撲が取れるとは、とても新入幕とは思えない、ベテランの貫禄を感じる方もいることでしょう。

また本日、現在西幕下7枚目の番付の元幕内・千代の国の引退が発表されました。これからは佐ノ山親方としてご活躍されるそうです。千代の国関(長年関取としてご活躍したため、今場所は幕下でも敬意を込めてこうお呼びいたします)、これまでお疲れ様でした。そして、これからのご活躍を応援いたします。ちなみに本日新たに襲名した佐ノ山親方の実兄は、元幕下・千代の眞としてご活躍し、現在は俳優として私が相撲にハマるきっかけとなったドラマ『サンクチュアリ -聖域-』にて、猿谷役を好演していた澤田賢澄という方です。

名古屋場所もあと2日となりました。千秋楽まで、その勝負の行く末を見届けます。