1764.【当事者が語る】問題を解く速度がどうしても遅くて悩んでいる人々へ【僕は発達凸凹とともに、前を向いて生きていく。第116回】
2026/02/14
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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問題を解く速度がどうしても遅くて悩んでいる人々へ
私の能力を示す『WAIS-III』という知能検査(2018年受験)のこちらのグラフが示すように、私は言語理解能力と処理速度能力に圧倒的な差があります。
生成AIで制作したこのイメージ画像のように、頭で考えていることはF1エンジンのようでも、それを出力するのが自転車のタイヤのようなアンバランスで圧倒的な能力差があります。
この能力差で痛感することとなったのが、問題を解く速度が遅いということです。
私はこれまで受けた様々な試験で、何度も「時間が足りない」という問題に直面いたしました。
これは私の勉強不足である部分ももちろんあったと思いますが、それよりもこの処理速度の遅さが大きく関係していたことでしょう。
頭ではわかっている問題でも、それを解く速度や解答用紙に書き出す速度が著しく遅いです。
私はゆっくり、じっくり考えて問題を解く傾向がありますので、短い制限時間内に速く問題を解かなければならない形式の試験との相性は最悪です。
以前にもこちらの記事で述べましたが、私は試験問題の相性がハッキリしています。
高校までの定期試験や、大学入試のための試験は短い時間に速く問題を解くことが求められる傾向にありました。これが私は不得意(凹)でした。
それに対して、大学の試験は時間をかけてじっくり考える論述式のものの比率が増えて、こちらはかなり有利に(凸)試験を進めることができました。
レポートや論文を書いたり、こうやってブログの記事を書いたりすることなど時間をかけてじっくり取り組むことに関しては私の強みを発揮できます。
資格も例えば英語の試験の『TOEIC』(890点)や『日商簿記2級』を持っていますが、試験の際の試験時間との戦いに苦戦しました。じっくり時間をかけてしかうまく問題を解けない私はどうしても私は時間が足りなくなりがちです。
TOEIC・・・900点を超えるには私の場合は英語力よりも問題を速く解く力が必要だと思われますが、それを身につけることは非常に困難であることでしょうからそう割り切っております。
それでは今回も、オリジナルキャラクターの『凸凹さん』に処理速度の遅さで問題を解く速度が遅いことについて解説していただきましょう。
凸凹です。よろしくお願いします!
(凸凹さんは私が制作したオリジナルキャラクターです。『凸凹さん』公式サイトはこちら)
凸凹さん、処理速度が遅い私は試験などの問題を解く速度が遅くて時間が足りなくなりがちです。同じように悩んでいる人々にとって助けになるお話をお願いいたします!
時間が足りないのは、キミの頭が悪いからじゃないんだよ!
こんにちは! 凸凹さんだよ。「わかっているのに、書く時間が足りない」。試験のたびにそんな悔しい思いをしてきたんだね。F1エンジンのアタマで正解は出ているのに、それを紙に書き写す「自転車のタイヤ」が追いつかない……。そのもどかしさ、本当によくわかるよ。
でもね、自分を責めないで。それはキミの能力が低いからじゃなくて、試験という「ルール」が、たまたまキミの凹(苦手な部分)に厳しいだけなんだ。今日は、同じ悩みを持つ仲間に向けて、ボクからエールと作戦を届けるね。
試験は「速さ」を測るゲームになりがち
多くの試験は、「どれだけ深く理解しているか」と同じくらい、「どれだけ速く事務処理できるか」を求めてくるよね。特に、単純な計算や書き取り、たくさんの文字を目で追う作業は、処理速度(PS)がゆっくりなタイプにはとってもハードルが高いんだ。
キミの場合、アタマの中ではIQ130相当のすごいスピードで答えが出ている。でも、それを「手書き」で出力しようとすると、脳にとってものすごくコストがかかる作業になってしまうんだ。だから、「時間が足りない=勉強不足」とは限らないってことを、まずは知っておいてね。
作戦1:「メガネ」をかけるように、「時間」をもらおう
目が悪い人がメガネをかけるのは「ズル」じゃないよね? それと同じで、処理速度の凹がある人が、試験で本来の力を出すために環境を調整することは、「合理的配慮(ごうりてきはいりょ)」といって、認められるケースが増えているんだ。
例えば、「試験時間を延長してもらう」とか、「手書きの代わりにパソコン入力を許可してもらう」といった相談ができる場合があるよ。 キミのように「キーボードなら速い」という明確な凸(強み)があるなら、それを学校や先生に伝えてみるのも、立派な解決策の一つだよ。
作戦2:F1エンジンが活きる「難問」から攻める!
もし通常のルールで戦わなきゃいけない時は、「順番通りに解かない」のも手だよ。単純な書き取りや計算問題(処理速度を使う問題)は後回しにして、配点が高くて思考力が必要な「文章題」や「論述問題」からやってみるのはどうかな?
キミの言語理解(VC)は並外れて高いから、他の人が苦戦するような「難しい問題」の方が、実はスラスラ解けたりするかもしれない。 「速さ」勝負の土俵には乗らず、「深さ」で勝負できる場所で点数を稼ぐ作戦だね。
まとめ:社会に出れば「速さ」より「深さ」が武器になる
学校の試験はどうしても「制限時間」があるけれど、社会に出れば、じっくり時間をかけて質の高い成果物を出すことの方が評価される仕事もたくさんあるんだ(研究者や専門職などね)。
だから、今の試験の点数だけで自分の可能性を決めつけないで。キミのその素晴らしいF1エンジンは、時間をかければかけるほど、誰も真似できないすごい答えを導き出せるんだから。そのことを、ボクは一番知っているよ!
(文字色が異なる凸凹さんの発言は生成AIにより生成したものを私が修正したものです。より厳密な専門性を求める方は専門書などをご覧ください。)
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凸凹さん、解説ありがとうございます!
『キミの能力が低いからじゃなくて、試験という「ルール」が、たまたまキミの凹(苦手な部分)に厳しいだけなんだ。』←そういうことですね。試験の枠組みに、私の特性がうまく合致していないということです。
『多くの試験は、「どれだけ深く理解しているか」と同じくらい、「どれだけ速く事務処理できるか」を求めてくるよね。特に、単純な計算や書き取り、たくさんの文字を目で追う作業は、処理速度(PS)がゆっくりなタイプにはとってもハードルが高いんだ。』←「そうなんですよ!」と共感したくなりますね。たとえ単純な問題であっても、それを速く解くとなると私にとっては至難の業なのです。
『例えば、「試験時間を延長してもらう」とか、「手書きの代わりにパソコン入力を許可してもらう」といった相談ができる場合があるよ。 キミのように「キーボードなら速い」という明確な凸(強み)があるなら、それを学校や先生に伝えてみるのも、立派な解決策の一つだよ。』←現在の学校では、私のような特性の人々にこのような柔軟な対応をとる場合も増えてきていることでしょう。私は配慮なしに自力でどうにかしましたが、勉強時間で自身の苦手(凹)をカバーしたことになります。私は不器用で一夜漬けなどとてもできません。試験の前からゆっくりと準備をして試験に備えていたのが懐かしいです。
『「速さ」勝負の土俵には乗らず、「深さ」で勝負できる場所で点数を稼ぐ作戦だね。』←大学ではある程度自由に科目を選択できましたから、試験がレポートや論述式のものを積極的に受講していました。どうしても試験の形式とは相性があります。それを見極めることも大事ですね。
『学校の試験はどうしても「制限時間」があるけれど、社会に出れば、じっくり時間をかけて質の高い成果物を出すことの方が評価される仕事もたくさんあるんだ(研究者や専門職などね)。』←そうです。私も時間をかけてじっくり考えたことを様々な場所で講演したり執筆したりして発表をしておりますが、ありがたいことに好評をいただくことができております。これからも時間をかけてじっくりと、自身の特性について考えて同じように悩んでいる人々の力になりたいものです。
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これからも、ASD・DCD当事者として発達の特性について様々なことを情報発信していきます。
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お悩みの皆さまや周りの方々は、私でよろしければこちらからお気軽にご相談くださいませ。
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お読みいただき、ありがとうございました。