769.【戦前のコミックソング】連続テレビ小説『虎に翼』でも使用された、楽しい雰囲気のシャンソン。【『モン・パパ』(原題:『C'est Pour Mon Papa』)】
2024/05/13
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私は、現在放送中のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)・『虎に翼』を視聴しております。
伊藤沙莉が演じるヒロインの猪爪寅子をはじめとする魅力的な登場人物や、米津玄師による主題歌『さよーならまたいつか!』でノリノリな気分となり、興味深く拝見しております。
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この記事の執筆現在、このドラマの時代設定は1930年代の戦前です。
私は『一杯のコーヒーから』や『長崎物語』など、この時代の音楽も大好きな曲がたくさんあります。
『虎に翼』の劇中で、寅子が「うちのパパとうちのママと並んだとき~♪」といった歌を歌うシーンが何回か流れました。
面白い曲だなぁと思いまして、もしかして実在する楽曲なのか?と調べてみると、なんと実在しました!
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こちらの動画でご紹介されている、1931年(昭和6年)に発表された『モン・パパ』という楽曲です。歌っているのは「エノケン」の愛称で知られ、「日本の喜劇王」と呼ばれたコメディアンの榎本健一と、『私の青空』や『アラビヤの唄』の日本語版の歌唱で知られる二村定一の2人です。ちなみに私が二村定一を知ったのは、フランク永井のカバーによる『君恋し』を聴いて、原曲を歌っているのが二村定一だと知ったからです。
かつて学校の授業で日本史を学んでいると、1930年代は戦争に向かっていった「暗い時代」といったイメージをどうしても持ってしまっておりました。しかし、この楽曲や、先ほどご紹介した『一杯のコーヒーから』のような明るくて楽しい曲もあることを知ると、決して暗いだけの時代ではなかったのだと考えることができます。
この『モン・パパ』は、パパとママの様子が非常にコミカルに描かれております。この時代から「パパ」「ママ」「ヒステリー」といった単語が使われていたのか、と興味深いです。余談ですが、同じ1930年代に発表された楽曲『もしも月給が上がったら』では、なんと「ポータブル」という単語が登場します。こちらはポータブル蓄音機のことのようです。
『虎に翼』の劇中でも描かれているように当時は女性の権利が少なかった時代ですが、『モン・パパ』の歌詞のママは強い女性として描かれており、いつの時代でも「母は強し」なんだなぁと興味深いです。
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この『モン・パパ』には、原曲が存在します。こちらのフランス語で歌われている『C'est Pour Mon Papa(ここでは「パパのもの」といった意味合い)』という楽曲です。フランスで歌手やコメディアンとして活躍したジョルジュ・ミルトン(Georges Milton)による歌唱です。
1930年のフランス映画『巴里っ子(原題:Le Roi des Resquilleurs、直訳で「居候の王様」といった意味)』に主演したジョルジュ・ミルトンが劇中で歌った楽曲だそうです。
もともとのフランス語の歌詞は日本語の歌詞と異なるところもありますが、パパよりママのほうが強い人物として描かれているのは共通しているようです。
私は大学の授業の第二外国語としてフランス語を学んだことがありますのでフランス語を少しだけかじったことがあるのですが、フランス語の音の響きもなかなか好きです。
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今回は『虎に翼』の劇中で『モン・パパ』を初めて聴いてから興味を持っていき、何度か歌唱シーンが流れたことによりこの楽曲が気になり詳細をいろいろと自分なりに調べてみました。
私は『YouTube Music』ユーザーですので、『モン・パパ』も収録されている『オリジナルSP原盤による 懐かしのジャズ・ポピュラー・ヒット集 (戦前篇)』というアルバムを通して聴いてみました。戦前にも明るい楽曲がたくさんあるのだと感じることができます(当時のしっとりとした雰囲気の楽曲も好きです)。
サブスク(定額制)で最新のヒット曲だけでなく、このように往年の名曲たちも気軽に聴くことができるようになり、便利な時代になったものだと感じます。おかげで平成生まれの私が戦前の楽曲にも親しむことができております。
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お読みいただき、ありがとうございました。
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