737.【診断名→こんな特徴、という単純な話ではない】診断名は、「背が高いこと」などと同じようなある人の数ある特徴のうちの一つ。【僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。第66回】
2024/04/21
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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私は背が高いです。188cmくらいあります。
そんな背が高い私を見ると、多くの人々がこう思います。
何か、スポーツやってそう。
一般的に、背が高いとスポーツをやっている場合が多いようです。
しかし、私は特に集団で実施するスポーツが苦手(凹)で、学校の体育の授業では何度も大変な思いをしました。
発達性協調運動症(DCD)の診断名がつくほど、身体の動きがぎこちないことがある私ですから、スポーツが得意では全くありません。
このように、背が高いからといって、スポーツが得意であるとは限りません。むしろ、背が高くても私のように平均より圧倒的に不得意な人もいるのです。
しかし私は集団での運動が苦手(凹)なだけで、自分ひとりだけでマイペースに行える散歩などの運動は好き(凸)です。動きがぎこちないことがあり運動は苦手なことがあるものの、嫌いではないのです。
また、スポーツ観戦もハマろうと思えばハマれることでしょう。現在は特に相撲には強い興味を持っており、テレビやインターネットだけでなく、現地に観戦に行くほどになりました。また、相撲の四股も効果的な運動だと知り、一人でマイペースにできることもあり健康のために取り入れております。
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診断名も同様です。私はASDの診断名がありますが、典型的なASD当事者のイメージに当てはまらないこともあります。
そのイメージの中でよく言われるのが以下のものです。
興味の幅が、限定的。
もちろんASD当事者の中にはそのような傾向の人々もいるのですが、私は異なります。
私は様々なことに興味を持ちます。こちらの本ブログのカテゴリ一覧をご覧いただくとわかるように、私は様々なことに興味を持っております。日々、新たなことに興味を持ってはいろいろと調べ物をするのが好きです。
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「この診断名だから、こういう人」と枠に当てはめて考えることができるほど単純ではないのが人間の特徴です。様々な特徴が複雑に絡み合って、一人の人格を構成しています。
特に私のような人々を支援してくださる方々こそ陥りやすい罠が、「この診断名だから、こういう人」と決めつけることです。診断名はただの参考程度で、本当のその人の特徴は一人ひとり観察しないとわからないものです。
世間的に「発達障害」と呼ばれている概念を理解していると自称する人々ほど、この罠には陥りやすくなってしまうかもしれません。実際は同じ診断名でも様々な人々がおり、診断名は同じでも当事者はそれぞれかなり異なるタイプのこともあるのです。
むしろ、世間的に「発達障害」と呼ばれている概念をそれほど知らない人が、色眼鏡で見ずにありのままの私自身を見てくださる可能性もあります。支援者であっても、そうでなくても、様々な人々がいらっしゃいますから私も一人ひとりがどういう人かを観察していきます。
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本日は、私が背が高いからといってスポーツが得意ではない具体例から、この診断名だからこういう傾向がある、と決めつけるのはご遠慮いただきたいことについて述べました。
私がASDであることは、背が高いことと同じく私の数ある特徴の中の一つにすぎない、と考えております。
人間は、一つの診断名の枠に完璧に当てはまるほど単純ではありません。このことをどうかご理解いただけると幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。