山田隆一公式サイト

375.おはなし『パオロは、いい。』その11 どきどきの、かえりみち。

2023/09/21

※このおはなしは、ほんとうではないおはなし(フィクション)です。ちいさいどもや日本語にほんごまなんでいるひとたちにもよみやすいよう、かんたんな日本語にほんご、いわゆる「やさしい日本語にほんご」でかかれています。

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今日きょうも、みなさんおつかれさまでした。それでは、さようなら!」

「「「さようなら!」」」

エンマ先生せんせいのさようならのあいさつにより、ほうかごになった。

「よぅパオロ!あいかわらずかえりのじゅんびもおそいな!じゃあな!」

エミリオはかえりのじゅんびをすぐにすませて、いそいでかえっていった。

パオロはぶきようで、かえりのじゅんびもゆっくりだ。みんなよりおそく、きょうしつをでた。

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「ゆうやけが、きれいだなぁ。」

学校がっこうをでると、きれいなゆうやけがみえた。とおくにみえるうみにはんしゃしたゆうやけが、うつくしい。

パオロは、ゆっくりとおうちにむかってあるいている。

「あ、パオロくん!今日きょうもおつかれさま!」

パオロとおなじクラスのおんな、ジュリアがパオロに声をかけた。

「ジュ、ジュリア!おつかれ・・・さま。」

パオロは、きんちょうしている。じつはパオロ、ジュリアにとくべつなきもちをもっている。きになるジュリアをめのまえに、おもうようにしゃべれない。

「わたしもかえりこっちだから、いっしょにかえろう!」

なんと、ジュリアがパオロといっしょにかえりたいようだ。

「・・・。」

パオロは、あたまのなかがまっしろになった。

「パオロくん・・・、いや・・・かな?」

「はい!おねがいします!」

パオロはかおをまっかにしながら、さけぶようにへんじした。

「ならよかった!いっしょにかえろうね!」

パオロの、どきどきのかえりみちのはじまりだ。

...

つづく