山田隆一公式サイト

376.【エッセイ】秋の匂いを、感じる。

2023/09/21

僕は、匂いにより季節を感じることが好きだ。

朝、窓を開けた時の匂い・・・、季節によって鼻を通る空気が違う。

夏の空気はしっかりとした暖かさに草木の活き活きとした匂いが入った空気が鼻の中を通っていく。もう夏が終わり、あの頃の空気を懐かしむこととなった。また来年、再会できることだろう。

そして現在は秋。夏とはまた違った空気の登場だ、夏より涼しさを感じながらも、冷たくはない。青々としていた草木が黄色などに変わってきている季節であり、そのことを匂いからも感じとることができる。

それにしても嗅覚とは興味深い感覚だ。五感の中でも特に記憶に残りやすい感覚だという話もある。たしかに、子どもの頃嗅いだ匂いをふとした瞬間に再び嗅ぐと、ものすごく懐かしい気持ちになる。

僕は散歩することが好きなのだが、こうやって各地の匂いを、それぞれの季節で楽しむことができることも散歩の醍醐味なのだ。

落葉が目立つ道。

(先日、著者撮影)