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345.おはなし『パオロは、いい。』その1 ボクは、ダメなだ。

2023/09/11

※このおはなしは、ほんとうではないおはなし(フィクション)です。ちいさいどもや日本語にほんごまなんでいるひとたちにもよみやすいよう、かんたんな日本語にほんご、いわゆる「やさしい日本語にほんご」でかかれています。

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「ボクは、ダメなだ。」

この6さいのおとこ、パオロはほかのよりじょうずにできないことがいっぱいみたいだ。

ここは、イタリアのとあるみなとまち。うみやかわがいっぱいある。ひとびとは、ふねにのっていどうしている。

「やーい、パオロ!くやしかったら、おいかけてみろ!」

パオロをからかったのは、がっこうでおなじクラスのおとこ、エミリオだ。

「エミリオにまけてたまるか!」

パオロはエミリオをおいかけようとして、はしりだした。

「やーい、パオロ!おそいぞ!」

エミリオは、パオロをおいかけている。でも、なかなかおいつかない。

「あっ!」

パオロは、かわにかかるはしをわたろうとして、かいだんでころんでしまった。

「じゃあな、パオロ!」

エミリオは、さきにってしまった。

「うわぁ・・・ひざをけがしちゃった。やっぱりボクは、ダメなだ・・・。うわぁぁぁぁぁん!!!」

パオロは、なきだしてしまった。

「パオロ、ここにいたのね。」

「おかあさん!」

パオロのははおやの、ソフィアがやってきた。

「パオロ、だいじょうぶよ。けがしてるけど、おうちでなおしてあげるからね。」

「ボクは、ダメななんだ!」

「パオロ、あなたはダメななんかじゃないわ。おかあさんは、パオロのいいところをいっぱいしってるもの。パオロは、いいよ。さぁ、おうちにかえりましょう。」

「おかあさん、ありがとう。」

パオロは、ソフィアのおかげですっかりなきやみ、いっしょにおうちにかえっていった。

...

つづく