327.小説『ありがと~い!』第73話 羅門クンとの街歩きに、ありがと~い!
2023/09/03
※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。
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大井誠は、起床した。
今日は、知り合ったばかりで早くも友人と言える存在になりつつある羅門くんと鶴咲の街並みを探検する約束をしている。
大井は準備を済ませ家を出て、大井が住む令和町から冨吉電停まで歩き、路面電車に乗り込んだ。
「(Oi!Oi!Oi!今日はやたら人がOi!(多い)ぞ~い!)」
日曜日だから当然と言っちゃあ当然だが、朝から親子連れなどで電車内は賑わっている。平日朝の通勤・通学客が中心の路面電車とは一味違う雰囲気である。
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「え、つぅぎはぁ~、鶴咲駅前~、鶴咲駅前~。」
羅門くんと待ち合わせをしている鶴咲駅の最寄り電停である、鶴咲駅前電停はもうすぐだ。
鶴咲駅前電停で降りる人は多いため、自分から停車ベルを押さなくても誰かが押してくれるだろう、と多くの人々が思い、降りる人はOi!もとい、多いにもかかわらず、しばらく停車ベルが押されない現象があるときはシュールだ。
<チーン!>
「(誰かが押す前に、オレが押すぞ~い!)」
今回は大井が停車ベルを押す形となった。
こうして大井は、鶴咲駅に到着した。
鶴咲駅の商業施設・『ピアッツァ鶴咲』の正面入口前に向かうと、既にあの男はいた。
「Hey、よぉ、大井!」
「羅門クン、早いぞ~い!」
待ち合わせ時刻である10時の10分前にたどり着いた大井だったが、羅門くんは既にいた。
「よし、ここからヴェネツル地区までwalk、歩くか。」
「街歩き、楽しも~い!」
ヴェネツル地区とは、鶴咲にあるイタリアの水の都・ヴェネツィアを参考にして作られた地区だ。江戸時代に鶴咲で活躍したヴェネツィア出身の商人・ルイージ・モンテカンポとその一行の尽力により、鶴咲の街並みが整備されていった。その名残が現在も、ヴェネツル地区として現存している。
「ヴェネツル地区までGo! Go! Let's go!」
「羅門クンとの街歩き、楽しみだぞ~い!ありがと~い!」
こうして、大井は羅門くんと鶴咲駅前から、ヴェネツル地区まで歩いていくのであった。
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つづく
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