297.小説『ありがと~い!』第59話 Thanks a lot-Oi! for a nice hat.(素敵な帽子を、ありがと~い!)
2023/08/20
※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。
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大井誠は、羅門譲くんとニューヨークの街並みを歩いている。これから、羅門くんが知っている近くの帽子屋に行く予定だ。
「『ニンジャ・ハット・リー』って面白い店名だけど、どんな帽子が置いてるんだ~い?」
「If you arrive there, you can find it.(着いたらわかるさ。)」
「やっぱり、日本語で話さないか~い!?」
「We're in New York. Why don't we speak English?(ニューヨークにいるんだから、英語で話そうぜ!)」
相変わらず使用言語はどちらも譲らない。大井が日本語で話し、羅門くんが英語で話す奇妙な現象が繰り広げられている。
「あ、ここか~い!?」
「Exactly.(そうだ。)」
こうして、二人は帽子店『ニンジャ・ハット・リー(Ninja Hat Lee)』に着いた。
「Hey Hiro, how's it going?(ようヒロ、調子はどうだ?)」
『ニンジャ・ハット・リー』は、日系人の店主・ヒロさんが営んでいる帽子店だ。
「Hi Joe, so far so good!(やぁ譲、今んとこ順調だよ!)」
「Good. This is Makoto. He's looking for a hat.(良いね。こいつは誠。帽子を探してるんだ。)」
「Hello, I'm Makoto. Do you have any recommendation?(こんにちは、誠です。何かおすすめありますか?)」
「I REEEEALLLLY wanted to here your English, Makoto. Keep going!(ムァジでお前の英語聞きたかった。この調子だ!)」
羅門くんは、誠が英語でやっと会話したことに喜んでいる。
「Hmm...(そうですね・・・)」
店主のヒロさんは、大井の風貌からどの帽子が合いそうかをしばらく考えた。
「What about this?(こちらはいかがでしょうか?)」
ヒロさんが提案したのは、黒のバケットハットだ。肌触りの良い素材で作られており、一年中被ることができるような快適さも持ち合わせている。
「Oi!Oi!Oi! Wow! I like this hat!(Oi!Oi!Oi!わぁ、この帽子良いですね!)」
「I'm glad you like it. You can wear this hat with various outfits.(気に入って良かったです。この帽子は様々な服装に合いますよ。)」
「It's on me, Mack.(おれが奢るぜ、マック。)」
羅門くんが、親しみを込めて大井をマックと呼び始めた。
「譲くん、thanks a lot-Oi!この帽子、見た目も好きだし被り心地最高だぞ~い!」
「Thanks a lot-Oi...I like it, hahaha.(ありがと~い・・・いいですね、ハハハ。)」
ヒロさんが、ありがと~い!という言い回しを気に入ったようだ。
こうして早速購入した帽子を被った大井は、羅門くんと店を出たのであった。
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つづく
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