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285.小説『ありがと~い!』第53話 吉野教授のカンパに、ありがと~い!

2023/08/14

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、新たにバンドを組む予定の音楽サークルの学生、羅門くんと浦西さん、そして顧問の吉野教授に、『小料理屋 風月』で歓迎会を開いてもらっている。

「生ビール、4つお持ちいたしました。」

30代くらいの男性店員が、生ビールを持ってきた。

「それじゃ、大井がバンドに加入することを祝して、cheers、乾杯。」

「かんぱ~い!」

「かんぱい!」

「<乾杯!>そして今夜は大井くんの歓迎会なんで、年長者の私が<カンパ>・・・ふふふふふ・・・・」

「ヨッシー、こういう時くらい親父ギャグは我慢してくれよ。払ってくれることにはthanks、感謝するが。」

「アタシは盛り上がるので、親父ギャグは良いと思いますよ!」

「吉野サンの親父ギャグ、面白いぞ~い!」

こうして、4人は乾杯した。

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「お待たせいたしました、こちらが『風月御膳』です。」

先程の男性店員により、大井が注文した『風月御膳』が運ばれてきた。白米、味噌汁を中心に、焼き魚やほうれん草のおひたしなど、素朴な料理が並ぶ御膳だ。

他の3人も、注文したそれぞれの料理が運ばれてきて、いよいよ歓迎会も本番だ。

「大井、おれのバンド、ベースが空いてたから無理やりベースになってもらったが、alright、大丈夫か?」

「いいぞ~い!オレ、どの楽器にも興味あったからベースやってみたいぞ~い!」

「前任者が脱退して1ヶ月くらいになりますけど、アタシは決まって良かったです!」

「彼はPredecessor(前任者)、私はProfessor(教授)♪」

「Oh dear、やれやれ...この言い回し、ヨッシー気に入っちゃったよ。お酒が入ってるからなおさら親父ギャグが出てくるかもな。」

「アタシはどんどん言ってもらって構いませんよ!」

「オレはさすがに何度も同じフレーズは飽きますよ~い!」

歓迎会は、盛り上がった。

...

「ヨッシー、ごちそうさま。」

「吉野さん、ごちそうさまでした!」

「吉野サン、払っていただいてありがと~いございました!」

「こちらこそ、楽しい歓迎会ができて良かったですよ。ありがとうございました。」

充実した歓迎会を過ごせたようだ。

「羅門くん、浦西さん、吉野さん、そしてお初の大井くん、ありがとうございました。またお越しくださいね。」

女将さんの心温かいお見送りにより、4人は店を出たのであった。

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つづく