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283.小説『ありがと~い!』第52話 いい店紹介してくれて、ありがと~い!

2023/08/13

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、今日知り合った羅門くんと、その音楽サークルのメンバーで大井の歓迎会を開いてくれるので羅門くんが常連だという飲食店へ向かっている。

「そのお店は、浦西サンと吉野サンも行ったことあるんですか~い?」

「はい。アタシは多分あそこだと思います。」

「そうですね。私も多分あそこだと思いますけど、羅門さんについていきましょう。」

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「羅門クン、そこはどういうお店なんだ~い?」

「Go!Go!Let's Go! 行けばわかるさ。」

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「ここだ。」

「『小料理屋 風月』・・・、Oi!Oi!Oi!アメリカンなお店かと思ったら、純和風のお店だぞ~い!」

「おれは、traditional、伝統的な日本文化も好きなんだ。アメリカで育ったことがあるからこそ、日本の良さについても考えてる。」

こうして大井たちは、建物も純和風な佇まいの『小料理屋 風月』に入った。

「あら、羅門くんいらっしゃい。浦西さんと吉野さんもようこそ!お座敷空いてますよ。ゆっくりしていってね。」

『風月』の女将さんは60代くらいで、人の名前をすぐに覚えられることが特徴的らしい。

「そちらの方は、お初ですね?」

「は~い!大井と申しま~す!」

「大井さんですね。良いお店かはわからないけど、ゆっくりしていってくださいね。」

このやり取りだけで、大井の名前はすんなり覚えられるそうだ。

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こうして、4人は席につき、お品書きを見る。

「羅門クン、ここはどの料理がお~いしいんだ~い?」

「どれもうまいが・・・、まずは『風月御膳』をおすすめするよ。ここの定番だ。」

「じゃあオレはそれにするぞ~い!」

「おれは・・・『女将の気まぐれ』を頼むか。その名の通り、運ばれてくるまで何の料理かわからないのがスリルがあって好きだ。」

「アタシは、『鶴咲御膳』にします!」

「私は、そうですね・・・。『おつまみセット』と『生ビール』をとりあえずいただきましょうか。」

「おれも、生。」

「アタシも!」

「オレも!・・・ってOi!Oi!Oi!浦西サン、1年じゃないのか~い!?」

「浦西は学年はおれらより1つ下だが、2浪してるから年齢はおれらより1つ上なんだ。だから21だよ。20歳になったばかりのおれらより酒も慣れていることだろう。」

「そうですけど、アタシが学年は下なんで敬語使わせてもらってます!」

「そういうことだったんですね~!」

「大井さん、アタシが年上ってわかった瞬間敬語使うの良くないですよ!そのままでいいです。」

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうぞ~い!それにしても雰囲気が良い店だぞ~い!羅門クン、紹介ありがと~い!」

こうして4人はその後料理を注文し、いろいろと話を始めるのであった。

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つづく