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281.小説『ありがと~い!』第51話 歓迎会を、ありがと~い!

2023/08/12

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、音楽サークルの部室で前任者が置いていったというTender社製のベースを触っている。その白いボディを触ると、社名の通り優しさを感じる。

「大井、Do you like it、気に入ったか?」

「羅門クン!このベース気に入ったぞ~い!ありがと~い!」

「それはよかった。おれはボーカル担当だが、ギター、ベース、ドラム、キーボードをはじめとする、various、様々な楽器ができる、いわゆるマルチプレイヤーだ。おれでよければ、ベースも教えられる。気軽に聞いてくれ。」

「Oi!Oi!Oi!頼もしいぞ~い!」

「アタシも4月に入学してこのサークル入ったんですけど、羅門さんに教えてもらったおかげでギターある程度できるようになりました!」

「浦西サンも、4月に始めたバカリなのか~い!オレも頑張れば、ベース弾けるようにな~る?」

「今度からおれがteach、教えてやる。楽しみにしてろ。」

「ありがと~い!」

「ドラムの腕はさすがに、ヨッシーにはかなわんがな・・・。」

「私は一応、今もドラム続けてますからね。」

吉野教授は40年前にメジャーデビューの経験がある。売れなかったものの、大学で研究者の道に進んでも趣味でずっとドラムを続けていたのだ。

「あれからバンドは組まずに個人的にドラムやってたんですけど、羅門さんの熱量に負けて久しぶりにバンドやってみたいと思えました。羅門さん、改めてありがとうございます。」

「ヨッシーを説得した時のおれは、passion、情熱が溢れていたらしい。いつもクールだと言われるおれだが、何か違っていたようだな。」

「その時の羅門クン、見たかったぞ~い!」

「いつか、again、再び見られるかもな。楽しみにしてろ。みんな、この後時間大丈夫か?」

「オレは、大丈夫だぞ~い!」

「アタシも、大丈夫ですよ!」

「私も余裕ありますよ。」

「それじゃ、近くのおれが贔屓にしてる店で、大井の歓迎会をやろうと思うんだが、どうだ?」

「いいですね!アタシももっと、大井さんと話したいです!」

「昨日道を訪ねたときから、大井さんには何かを感じていました。ぜひ、これから話しましょう。」

「Oi!Oi!Oi!いいのか~い!?歓迎会を、ありがと~い!」

こうして4人は部室を出て、羅門が常連だという飲食店に向かうのであった。

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つづく