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203.小説『ありがと~い!』第20話 便利なバスに、ありがと~い!

2023/07/11

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、ティラミスとカプチーノをゆっくりと堪能し、完食した。

「(お~いしかった!また来よ~い!)」

「グラッツィエ、ありがとうございました!またお越しくださいね。」

「お~いしかったです、ごちそうさまでした~、ありがとうございま~す!」

こうしてお店を出た大井は、再びこのショッピングモール『カンミナーレ鶴咲』を歩き出した。現在の時刻は17時10分だ。学校帰りの学生や、仕事帰りの人たちがどんどん目立つようになってくる時間帯である。

「(Oi!Oi!Oi!人がOi![多い])」

大井は、人混みがあまり得意なほうでない。そろそろ家に帰ろうと思い、1階にあるバスターミナルへと向かった。

行きは路面電車に乗ったが、帰りはバスに乗ることにした。大井の家は、バス停も電停も近いためこのようなこともできる。

「(Oi!Oi!Oi!Oi!バスターミナルも人が本当にOi![多い])」

17時台は、よく混む時間帯のうちの一つであろう。しょうがない事実である。ただ、幸いなことにここはバスターミナル、つまり始発なので簡単に座ることができる。

「鶴咲ウルトラデラックスセンター行きのバスは17時17分に発車いたします。」

あと3分でバスが出る。終点の『鶴咲ウルトラデラックスセンター』は名前がすごいことで知られているが、いわゆる工業団地のためそこで勤務している人など用事がある人以外は用はないため大井は行ったことがない。このようなインパクトのある名前を名付けた人は、まさかバスの終点となりバスの前面に大きく表記されるとは予想だにしていなかったことだろう。

「(バスは本当に便利だ、ありがと~い!)」

こうして大井は、バスに乗り家路につくのであった。

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つづく