200.小説『ありがと~い!』第19話 ティラミスの語源に、ありがと~い!
2023/07/10
※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。
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大井誠は、カプチーノを飲みながら一緒に頼んだティラミスが来るのを待っている。
大井が今いるショッピングモール『カンミナーレ鶴咲』は、「甘味なれ」という意味合いもあることもあって、スイーツに力が入っている。『カッフェ・リアルト』のティラミスはここの名物の一つであり、初めて食べる大井は、楽しみに待っている。
「(Oi!Oi!Oi!それにしても良い匂いだなぁ~!)」
大井はコーヒーが大好きなので、喫茶店やカフェの店内の匂いが好きだ。大井にとってリラックス効果があるこの香りを楽しんでいるだけでも、大井にとっては安らぎの時間だ。
「この前、うちの子がねぇ。」
「期末テスト、どうする?」
「Tsurusaki is so enjoyable! One of the most interesting cities in Japan!(鶴咲は本当に素晴らしい!日本で最も興味深い街の中の1つだ!)」
主婦や中高生、外国人観光客など様々な人々が店内で会話を楽しんでいる。大井は一人でいるので会話はしないが、脳内ではいろいろと考えている。
「(この人たちも、ティラミス狙いか~い!?)」
大井は現在、このようなことを考えていた。
「お待たせいたしました~、ティラミスです!」
「は、は~い!」
大井は勢いよく返事をした。
「あ、ありがとうございます。」
残念、今回のティラミスは後ろの席に座っている主婦の方の分だった。
「(Oi!Oi!Oi!どれだけオレは順番待ちしてるんだ~い!?)」
さすが人気メニューのティラミス。すぐには来ないようだ。
「お待たせいたしました~、ティラミスです!」
「(次こそ、オレか?)」
「どうもありがとうございます!」
残念、近くに座っていた高校生の分だった。
「(早く食べたいぞ~い!!!)」
大井は、ティラミスが待ち遠しくてたまらない。ティラミスを待ち望むあまり、エネルギー切れを起こしそうだ。
「(Oi...)」
「お待たせいたしました~、ティラミスです!」
「Oi!やっと来たぞ~い!ありがとうございます!」
「ごゆっくりどうぞ。」
嬉しそうな大井に、店員さんは微笑んでいた。
こうして大井は、念願のティラミスを一口食べる。
「(お~~~~~~いしい!!!)」
口の中にティラミスが入ったその瞬間、大井は幸せな気持ちに包まれた。さっきのエネルギー切れのような状態は、このための伏線だったと言える。
その瞬間大井は、このお店の名物・ティラミスのポスターに書いてあったあることに気づいた。
【ティラミスの語源は、「Tirami su!」というイタリア語で、「私を引っ張り上げて」という意味でそれが転じて「私を元気付けて」という意味です。】
「(Oi!Oi!Oi!Oi!Oi!そうだったのか~い!オレは今、ティラミスのおかげで本当に元気が出てるぞ~い!語源通り、元気が湧いてくるスイーツを開発してくれた人々、そしてこの店員サンに、ありがと~い!)」
ティラミスは、このお店『カッフェ・リアルト』の店名の由来となったリアルト橋があるイタリアの街・ヴェネツィアがあるヴェネト州あたりが発祥のスイーツだ。マスカルポーネチーズとエスプレッソの共演が実に美しい。
「(ティラミス、お~いしいぞ~い!ありがと~い!)」
こうして大井は、ティラミスとカプチーノをゆっくりと楽しむのであった。
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つづく
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