197.小説『ありがと~い!』第18話 お~いしいコーヒー、ありがと~い!
2023/07/09
※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。
...
大井誠は、新しいポロシャツを買うことができてご満悦だ。
引き続き、鶴咲のショッピングモール『カンミナーレ鶴咲』を見て回っている。ここは、ファッションはもちろん、雑貨、日用品、電化製品、家具、食料品、ドラッグストアなど様々な形態のお店が入居している。
鶴咲名物、鶴咲ちゃんぽんのお店『カーサ・ディ・ルイージ』や、カレーチェーン『ソコライチメン』、牛丼チェーン『おいしいうし』など様々な飲食店も軒を連ねている。
「(Oi!小腹が空いてきたぞ~い!)」
現在の時刻は16時30分。大井は遅めの昼食を食べてから出かけたので、そんなに食べることはできない。しかし、小腹は空いてきた時期だ。
「(それにしても、ここはいつも人がOi![多い])」
『カンミナーレ鶴咲』は、おしゃれな店内と豊富な入居店舗数から、平日でも多くの人々が来店している。
「あ、すみません!」
親子連れだ。3歳くらいの男の子が、大井にうっかりぶつかってしまったので、母親と思われる女性が大井に謝った。
「大丈夫ですよ~!」
大井は、笑顔でこう言った。大井は、子ども好きだ。子どもを見ていると、癒やされる。泣き声を聞いていても、小さい子は泣くのが仕事だと考えているので、腹は立たず、微笑ましい気持ちになる。
「(よし、ココに入るぞ~い!)」
大井は、カフェチェーン『カッフェ・リアルト』に入った。ヴェネツィアにある観光名所・リアルト橋が名前の由来だ。イタリア式のエスプレッソやカプチーノが人気のお店だ。
「チャオ~!いらっしゃいませ!」
お店に入ると、20代くらいの女性店員が挨拶をした。「チャオ」など、イタリア式の挨拶を取り入れた独自の雰囲気のお店だ。
「ご注文は何にいたしますか?」
大井は、素早くメニューを見て、何を注文するか決めた。
「カプチーノと、ティラミスをくださ~い。」
「承知いたしました。しばらくお待ちくださいませ!」
大井は、カプチーノとティラミスの2つを注文した。改めてメニューを見ると、大井はある事実に気がついた。
「(Oi!Oi!Oi!Oi!カプチーノって午前中に飲むモノなのか~い!?)」
メニューによると、イタリアではカプチーノは午前中にのみ飲まれるものだそうだ。イタリアで午後にカプチーノを注文すると、驚かれる可能性があるらしい。
だが安心してほしい。ここは日本だ。カプチーノをいつ飲んでも問題ないため、このお店でも午後にもカプチーノを通常通り提供している。
「お待たせいたしました~、カプチーノです。」
「あの・・・カプチーノって午前中の飲み物なんですか~?」
「ああ、イタリアではそうらしいですけど、ここではいつでも通常通り提供してますよ。」
「そうなんですね~。安心しました~。ありがとうございま~す!」
「ティラミスはもう少しでお持ちいたします。ごゆっくりどうぞ。」
大井は、カプチーノを一口飲んだ。
「(お~いしい!やっぱりコーヒーってイイなぁ~。ありがと~い!)」
こうして大井は、ティラミスを待ちながら、ゆっくりカプチーノを楽しむのであった。
...
つづく
- ...
-
「小説・物語」カテゴリの記事一覧
- ...
-
前の話へ
-
『ありがと~い!』 各話一覧
-
次の話へ
- ...
-
前の記事へ
-
ブログのトップへ戻る
-
次の記事へ