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191.小説『ありがと~い!』第15話 安全運転、ありがと~い!

2023/07/06

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、路面電車に乗って鶴咲の街の中を移動している。先程お会いしたイングランド出身のピートさん・アンジェラさんのご夫婦とのやり取りに、心が温まっている大井である。

「(ピートさんとアンジェラさん、お~いしいちゃんぽんをお楽しみに~!)」

鶴咲平和公園電停から乗ってきた修学旅行生たちで、路面電車の中は満員になった。修学旅行の定番スポットである鶴咲には、全国各地の小学校・中学校・高校から修学旅行生がやってくる。鶴咲に行った後、もしくは鶴咲に来る前は、少し離れたところにあるテーマパーク『カステッロ・グランデ』に行くのが修学旅行の定番コースだ。

「次は鶴咲駅に行こうよ」

「オッキアーリ橋も見てみたいな」

「終点の鶴丸子広場まで行って、歩いて回らない?」

「(Oi!Oi!Oi!この学生たちは、結局どこに行くのか~い?)」

学生たちが、どのようなルートで回るかを相談している。大井は鶴咲に来て1年以上になるため、主要な観光スポットはある程度回っているので、初めて鶴咲に来た学生たちの話が微笑ましい。

「それにしても、鶴咲の路面電車って、安全運転だよね~。」

「確かに!乗っていて落ち着きがある、というか・・・。」

「運転手さん、安定感があるのかもね~。」

確かに路面電車は、安全運転な印象だ。自動車などと並走することになるため、事故には本当に気をつけている。事故が起こりそうになると、いち早く警笛を鳴らしている。

「(もう路面電車にも慣れて、特別安全運転とは思わなくなったケド、そういやそうだよな~。運転手サン、安全運転ありがと~い!)」

修学旅行生たちの会話が聞こえる、今日も安全運転の路面電車に揺られながら、大井はまた感謝をするのであった。

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つづく