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179.小説『ありがと~い!』第9話 オレは、ツイてるぞ~い!

2023/06/30

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、気持ちよさそうに眠っている。現在の時刻は、11時50分だ。

「ん・・・、ありが・・・と~い・・・。」

寝言にまで、大井は自身の口癖である「ありがと~い!」を浸透させている。湿布とエアコンによるダブルの気持ちよさが、大井の気持ち良い眠りをサポートしている。

午前中から張り切りすぎたので、大井は疲れ果てて、深い眠りについている。

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「Oi!Oi!Oi!Oi!Oi!12時30分じゃないかよぉ!?また急いで大学に行くのはゴメンだよぉ!?」

大井は目覚めて時計を見ると驚いた。これでは12時50分にある3限の授業に向けてまた急がなければならない。しかし、今の大井にはそのような気力がない。

「今回は諦めるか・・・、1回くらい欠席しても単位を取れないことはナイだろうから・・・。」

大井は諦めかけたが、あることを思い出した。

「1回だけ休講になる日があったはずだが・・・。あれって今日ダッケ?」

大井はスマートフォンを取り出して、3限にある授業のシラバス(授業計画)を見た。

「O~~~~~~~~~~~i!!!!!休講、今日だった!オレは、ツイてるぞ~い!」

大井は嬉しさと安堵の気持ちを同時に噛み締めた。

「ということで、もう少し寝るぞ~い!眠ることができる時間に、ありがと~い!」

大井は、昼食もとらずに再び眠り始めた。一人暮らしの大学生によくあることだが、生活リズムを自分で管理しなければならないため、食事や睡眠の時間がこのように不規則になりがちだ。

こうして、大井は再びもう少しだけ眠りにつくのであった。

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つづく