177.小説『ありがと~い!』第8話 湿布は、気持ち良~い!ありがと~い!
2023/06/29
※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。
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大井誠は、帰宅した。現在、11時4分。3限の授業が始まる12時50分まであと2時間弱ある。
朝早くに無理をしたせいで、身体のいろいろなところが痛む。大井は、ドラッグストアで購入した湿布をいろいろなところに貼った。
「Oi!Oi!Oi!Oi!気持ち良~い!」
湿布が痛みをほぐしてくれている。現在は梅雨で、先程は晴れていたのだが空が曇り始めた。それにしても蒸し暑い。
大井は、エアコンの除湿機能を作動させた。
「あゝ・・・、湿布の気持ち良さに加えて、除湿機能による気持ち良~い空気が部屋を流れていく!」
「湿布を作ってくれたメーカーの皆サン、ありがと~い!」
「湿布の場所を教えてくれたさっきの店員サン、ありがと~い!」
「エアコンのメーカーサンにも、ありがと~い!」
「エアコンを設置してくれた業者の方にも、ありがと~い!」
「電気を供給してくれている方々にも、改めてありがと~い!」
出た、大井の「ありがと~い!ラッシュ」だ。気分が良くなった時、かつ一人でいる時に発動するのだが、その時に思いついた感謝をひたすら唱える。
感謝をすると気分が良くなるので、大井にとって感謝することは良い趣味の一つとなっているのだ。
「気持ち良~い!ありがと~い!」
しかし、大井の気をつけなければならない特徴が、今日も表れそうだ。
「眠くなってきたな・・・。」
大井は、家で気持ち良くなると、すぐに眠くなる。外出先、例えば大学の授業などでは気が引き締まって居眠りなどはしないのだが、家にいるときは話は別だ。
「お、佐藤クン!」
多くの人々が使用しているメッセージアプリ『SIGN(サイン)』で、同級生の佐藤くんからメッセージが来た。
<あれから痛みは大丈夫かい?>
(鶴咲のゆるキャラ・「ツルサッキー」が壁から覗いているスタンプ)
<だいぶ良くなってきたよ~、ありがと~い!>
(大井に似ている丸坊主の愛すべきキャラクター「マルボー」が笑顔で親指を立てているスタンプ)
<大井の、そのありがと~い!って面白いよな!>
(ツルサッキーが床を叩いて笑っているスタンプ)
<褒めてくれて、ありがと~い!>
(マルボーがお礼をしているスタンプ)
大井もメッセージアプリ『SIGN』を使って、こうやっていろいろな人々とやり取りをしている。
「それにしても、眠い・・・。」
大井がこう独り言を呟くと、次の瞬間、大井は夢の中へ入っていくのであった。
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つづく
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