174.キャッシュレス決済は、便利だ。【不規則に動くものへの手先の不器用さ】【僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。第24回】
2023/06/27
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
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私は、不規則にいろいろな動きをするものを動かすことが苦手な傾向(凹)にあります。例えば、買い物の際に現金で支払いをする際に、小銭を瞬時に取り出すことが苦手な傾向にあります。
キャッシュレス決済が普及する以前は、小銭を出すのに時間がかかりレジの後ろを待たせるのは申し訳ないと思い、小銭ではなく紙幣だけで支払うことが多く、その結果お釣りで小銭をいっぱい貰い、財布の中が小銭でいっぱいになりがちでした。
現在はキャッシュレス決済が普及したため、基本的にキャッシュレス決済を利用し、補助的に現金を用いるといったお金の使い方になりました。私が用いる方式のバーコード決済では、スマートフォンの画面にあるバーコードを見せて店員の方にそれを読み込んでもらうだけ、という非常にシンプルな方式です。慌てて小銭を財布から取り出し、小銭を落としてしまう、といったことが起こりません。
しかし、キャッシュレス決済が使えないお店や、アプリの不具合などもありますので、私は現金も持ち歩いています。それにしても、小銭を取り扱うことはやはり苦手ですね。適切な枚数を取り出すまで時間がかかります。場数を踏んである程度はマシになったとは思いますが、遅いです。
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小銭についてのこの例のように、私はいろいろ不規則な動きをしうる細かいものを取り扱うことが苦手(凹)です。
学校での図画工作(図工)や、家庭科での裁縫などは本当に苦戦しましたね。不器用なので、なかなか上手にできません。
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しかし、興味深いのは固定されていて動きが規則的なものに関しては、動かすことが得意(凸)な傾向にあります。
例えば、パソコンやスマートフォンなどの電子機器です。電子機器であれば、操作方法は規則的なため上手に取り扱うことができます。
パソコンのキーボードによるタイピングも、一般的にかなり速いといえる速度です(『寿司打』という有名なタイピングゲームで、10,000円コースで21,080円)。やってみるとわかりますが、このスコアを出せる人は多くはありません。
パソコンのキーボードは動きが規則的で決まっているため、練習を重ねるとどんどん上達します(凸)。
そして私はウクレレをやっているのですが、楽器の演奏も動きが規則的なためある程度上達することができます(凸)。
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今回特集したキャッシュレス決済など、技術の発展によりある動作(今回の場合は小銭を財布から出し入れする動作)が苦手な人の困難が解消されるのは本当に良いことですね。今回の支払い方法の例のように、より様々な方法で生活ができたほうが、ある方法が極端に苦手な人にとっては生きやすい世の中になっていくことでしょう。
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