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149.書くのは得意、話すのは苦手。【僕は発達でも、前向きに生きていく。第21回】

2023/06/15

※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおけるとは、が得意なことや強み、が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。

本記事の著者による講演動画

こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。

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私は書くのは得意()ですが、話すのは苦手()です。本日は、私のこの特性について述べてみようと思います。

結論から申し上げますと、この傾向は私が何事もゆっくり時間をかけて取り組む傾向があることが関係していると自己分析しております。

以下で詳細にこの特性について考えていきます。

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私は、頭の中で時間をかけて文章を組み立ててから表現する傾向にあります。したがって、考えたことをそのまま文字として表現できる書くことのほうが自分の考えをより正確に伝えることができます。

このように文章を書いていると、前の文章を見ながら順序立てて時間をかけて構成することができます。私は何事も時間をかけて取り組むことが好きなため、書くことのほうが話すことに比べて得意()なのです。

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それに対し、「話す」という行為にはそれを「聞く」相手が目の前にいます。その目の前の人々とコミュニケーションをとるために、瞬時に自分の考えを話さなければなりません。

「書く」場合はそれを「読む」相手は読みたい時にそれを読むことができるため、「話す」ことに比べるとじっくり時間をかけて「書く」ことができるのです。

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具体例として、主要な連絡手段である電話とメールの2つでご説明いたします。

私は、電話が非常に苦手()です。電話から聞こえてくる声だけでコミュニケーションをとらなければならないため、耳に全神経を集中させる勢いで聞き取ろうとしなければなりません。実際に会っての会話のほうが、音質が良い上に身振り手振りや表情などを見ることができるので苦手の度合いが軽減されます。

そのため私は、電話をする際は目を瞑って耳に集中する傾向にあります。電話をしながらメモをとるなんて、私にとっては非常に高度なテクニックです。ながら作業が苦手()なことも、今後記事にいたします。

こうやって一生懸命聞き取ったことに対して、瞬時に文章を組み立てて応答しなければなりません。電話では、自分が伝えたいことのほんの一部しか伝えることができない感覚があります。

これに対し、メールやLINEなど文章でのやり取りは何一つ不自由を感じたことがありません。文章であれば何度でも読み返すことができ、返事を考えるための時間もたっぷりと用意されております。

また、私は手書きに比べてパソコンでタイピングをする速度が圧倒的に速いため、便利な時代になったものです。(『寿司打』という有名なタイピングゲームがありますが、本日久しぶりにやってみると10,000円コースで21,080円でした。)

おそらくメールで文章を入力するより電話したほうが早い、と思われる方もそれなりにいらっしゃると思いますが、私は圧倒的にメールやLINE派なのです。

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とはいえ、苦手()だからといって話すことから逃げてはおりません。私は自分からどんどん話すことは得意ではありませんが、誰かの話を聞くことはある程度はできます。相手が興味のありそうなことを質問し、どんどん話をしていただくなど、自分なりのコミュニケーションのとりかたを模索しています。

ただ、2人での会話であればある程度できるものの、3人以上になると私にとっては会話の速度が速いことがよくあるため、会話についていくことがより難しくなります()。私はゆっくり考えて話したいため、私が話そうと思った頃には次の話題になっていることは、あるあるです。

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一口に「話す」と言っても事前に何を話すか資料を作成して準備ができる講演やプレゼンテーションなどで話すことは、得意()です。

集団でのディスカッションなどでも、普段は集団での会話は苦手()ですが議題が決まっているのであればそれに関して話せば良いのである程度対応できます。ただ、予定外の質問を投げかけられた際には回答に時間がかかることがあります。

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私は、学校にうまく馴染めなかったことなどから、コミュニケーションが苦手()だと思っていましたが、メールやLINEなど文章を使ったコミュニケーション能力はむしろ平均を遥かに上回っているもの()だと自己分析しております。

したがって、私はコミュニケーションが苦手()なのではなく、得意と苦手()が激しいだけだと認識しております。

本記事が読んでいただいている皆さまのお役に立てたのであれば幸いです。本記事に関するご質問や、他に「このことについて書いてほしい」などのご要望がございましたら、いつでもこちらからお気軽にご連絡ください。