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144.小説『今日も、僕は歩いていく。』第12話 冨吉商店街は、”アジ”がある。

2023/06/13

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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僕は路面電車で青原まで移動した後、冨吉まで歩いた。冨吉には、冨吉商店街がある。こちらのアーケード商店街は、時代に合わせて進化していく亀んまちアーケードに比べると、昔ながらの雰囲気が残っている。

「お兄さん、寄って行って!」

市場のお店の40代くらいの男性の元気が良い声かけがあった。

「どうも、こんにちは。」

「今日は活きのいいアジが入荷してるよ。アジフライなんかにしたらもう絶品ですよ!」

市場の雰囲気もあり、同じ食材もその雰囲気を纏ってまた違った美味しさが楽しめそうな感じがする。アジフライ、好きなんだよなぁ。よし、今日のおかずは、アジフライだ。

「それでは、アジを・・・2尾ください!」

「アジ、2尾ね。1尾おまけしときますね~。」

出た、市場名物、おまけ。こういうのがあるから、スーパーと違った楽しさがあるんだよなぁ。

「いいんですか、ありがとうございます!」

「いいですよ~。今日はアジいっぱい入荷してますからね!ありがとうございました!」

・・・、お店の雰囲気に圧倒されて、アジフライが好きだったこともあって、ついつい買ってしまった。保冷剤までおまけしてくれて、親切なお店だなぁ。

お魚を買ってしまったので、早く帰らなきゃ。冨吉、やっぱりいいなぁ。また来よう。

こうして僕は、昔ながらの味のある雰囲気の中で買ったアジを手に、再び冨吉電停まで歩き、路面電車で家へと帰るのであった。

アジフライ、楽しみだ。

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つづく