82.修学旅行に、行きたくなかった。【僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。第10回】
2023/05/03
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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この「僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。」連載も10回目となりました。引き続きよろしくお願いいたします。
さて、今回は前回の記事にて修学旅行という単語が出てきたため、修学旅行について述べます。
私は、修学旅行に行きたくありませんでした。これを聞いて、わけがわからない方もいらっしゃると思います。修学旅行といえば、最も楽しい行事として名前が挙がるものです。
しかし、このように思う子どももいるということを知っていただきたく、今回は修学旅行についての記事にいたします。
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私は常に学校に馴染めておらず、友達もうまく作ることができませんでした。それに加えて、集団行動が極端に苦手(凹)です。修学旅行では、個人行動は許されず、常に班での行動となります。班からはぐれないように行動するだけでも、私にとっては労力がかかるものでした。
更に、常にクラス内で孤立していた私を、どの班に入れるか、という問題もありました。クラスには「仲良しグループ」がいくつかあり、そのグループで固まって班ができていくものですが、どのグループにも属していない私が、どの班に属するかはすぐに決まるものではありませんでした。
余談ですが、体育の授業で2人組を作ることなども、苦痛でしたね。友達同士で2人組をみんな作るのですが、友達がいなかった私はどうすればよいかわかりませんでした。
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修学旅行で特に印象的なエピソードを2つご紹介いたします。
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まず1つ目は、小学6年生の時の修学旅行のホテルの大浴場に行く時です。私は周りに比べて動きが鈍い傾向にありますので、さっさと準備をする班のみんなから置いていかれてしまいました。広いホテルの中で1人迷い、大浴場を見つけることができませんでした。しばらくホテル内をさまよった末、受付の方に泣きながら大浴場の場所を尋ねて、たどり着いた記憶があります。(当時は本当に泣き虫な子どもでした。今は別の意味で涙もろくなりましたが。)
現在はある程度要領よく行動することができるようになってきましたが、やはり集団行動は苦手(凹)だと思います。一人でコツコツこうやってブログを執筆することなどは、得意(凸)なのですが。
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もう1つは、修学旅行でのテーマパークを楽しいと思うかどうかです。私はジェットコースターやお化け屋敷など、刺激が強いアトラクションをあまり好みません。そのようなアトラクションが多いタイプのテーマパークだと、楽しいと思えない場合があります。
このように、全ての人が楽しいと思える場所はないのが難しいところではありますが、このような子どももいる、ということをぜひご理解いただけると幸いです。
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今回は、修学旅行について述べました。この記事に関するご質問や、他に「このことについて書いてほしい」などのご要望がございましたら、いつでもこちらからお気軽にご連絡ください。