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55.集団行動が、うまくできない。【僕は発達でも、前向きに生きていく。第6回】

2023/04/15

※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおけるとは、が得意なことや強み、が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。

本記事の著者による講演動画

こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。

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前回の記事でも少しご紹介いたしましたが、私は他人の行動に合わせることに困難()があることがたびたびあります。それが強く表れた、学校でのエピソードを2つご紹介いたします。

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まず1つ目は、長縄跳び大会です。これは40人弱の1クラスごとチームになり、八の字跳びと言う、2人で長縄を回し、それを残りの数十人が順番に1人ずつ八の字を描きながら跳んでいく競技です。他のほとんどのみんながスムーズに縄に入っていける中、私はうまく入ることができませんでした。縄に入っても、タイミングよくうまく跳ぶことができず、引っかかることがほとんどでした。

この大会は小学校で毎年1回開催されたと記憶しておりますが、そのこともあり、私がいたクラスは6年間で1度も優勝することがありませんでした。

私が回し手になれば良い、と考える方もいらっしゃると思います。当時、そう考えたみんなが私を回し手にしたこともありますが、運動神経がないことに加え、1人ではなく2人で縄を回さなければならないため、うまく回すことができませんでした。「ぼくのせいで優勝できない」、と子どもながらに歯がゆい気持ちだったことを記憶しております。

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2つ目は、体育の授業の集団行動です。「集団行動」・・・。私が最も苦手な四字熟語のうちの1つでしょう。笛の合図とともに、集団で合わせて行動しなければなりません。

普段から動きが遅い上に、周りに合わせることが苦手()な私は、大きな困難がありました。それを印象づけた事例をご紹介いたします。

1学年、200人ほどで実施された集団行動の授業がありました。その中で、合図とともに全員が膝を曲げて腰を下げなければならない場面がありました。私はその合図にうまく適応することができず、1人だけ腰を下げるのが遅れました。

そのような私を、当時の体育教師は「おい山田、遅いぞ!何やってる!」といった旨で大声で指導しました。1学年全体の中、名指しで注意されるのは屈辱的なものです。ふざけているわけではないのですが、集団に合わせることが本当に苦手なのです。普段ふざけている生徒ですら、こういう場面では真面目にできるのに私はできない。このときも歯がゆい気持ちでした。

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このように、私は集団行動がうまくできません。周りが自然に習得する暗黙のルールなどを自然にはわからないこともよくあります。なぜ、周りを同じようにできないのかと思い悩んだ時期もありましたが、現在はこれも自らの特性の1つだと受け入れております。

ちなみに、集団行動が苦手()な私ですが、個人行動は得意()です。1人でやらなければいけない場面では、力を発揮できます。こうやって1人ですることができるブログの執筆は、私の得意分野です。以前からやってみようという構想はありましたが、始めて見ると筆(厳密にはキーボード)が止まりませんね。どんどん書いてしまいます。

1人である程度自分のペースで仕事ができる執筆活動や、クリエイターなどは私にとって天職でしょう。そのような道を、切り拓いていきます。

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私は集団行動が苦手ですが、人との関わりを避けているわけでは全くありません。このブログも、同じように悩んでいる人々などの力になればと思い執筆しております。趣味の話を書いているのも、同じような趣味の気の合う仲間とつながりができないか、と模索している側面もあります。

私の特性のことでも、趣味のことでも、少しでも私とやり取りしてみたいとお思いの方は、ぜひこちらのご連絡フォームからお気軽にご連絡くださいませ。