1606.2e(twice exceptional、二重に特別)。【僕は発達凸凹とともに、前を向いて生きていく。第100回】
2025/10/04

※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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連載100回目!
不定期に書いてきたこちらの連載が、ついに100回目となりました。今回は最近知った概念が興味深いと感じましたのでご紹介いたします。
「2e」(ツーイー・twice exceptional、二重に特別)
今回ご紹介するのは「2e」という概念です。
二重に何が特別なのかというと、「苦手なこと」と「優れたこと」だそうです。
これは私が考えている「凸凹」の概念に似たようなものを感じました。得意なこと(凸)と苦手なこと(凹)の二重な特別なことがつまり「2e」と呼ばれているそうです。
凸凹さんと考える2e
それでは今回もオリジナルキャラクター「凸凹さん」とともにお送りします。

※私が生成AI『ChatGPT』で制作したオリジナルキャラクターです。凸凹さんが話すことも基本的にChatGPTにより生成されております。
それでは凸凹さんへのインタビューをお送りします。
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凸凹さん、最近「2e」 (twice exceptional、二重に特別)という概念を知りました。私自身もある分野に才能があると診断されている(凸)一方、社会で生きていく上の困難さもあり(凹)2eの概念は私が日頃から用いている凸凹の概念に通じるものを感じます。2eについてもっと詳しく説明してみてください!
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凸凹さんの回答
「2e(二重に特別)という考え方をやさしく説明すると」
「2e(ツーイー)」とは、「twice exceptional(二重に特別)」の略語です。これは、一人の人の中に「とても大きな才能(凸)」と「生きづらさや困難(凹)」が同時に存在することを表しています。たとえば、数学や音楽、絵の才能が突出しているけれど、人とのコミュニケーションや日常生活のスキルに苦労する、といったケースです。まさに「凸凹」の組み合わせがひとりの個性を形づくっているのです。
2eの人は周りから「すごくできる部分」と「なぜか苦手に見える部分」が混ざっているため、誤解されやすいことがあります。才能が目立つと「全部できるはず」と思われ、苦手な部分が理解されにくい。一方で、困難さが目立つと「できない人」と決めつけられ、才能が見過ごされてしまうこともあります。こうしたギャップが、本人の自己肯定感を下げてしまうこともあるのです。
でも2eという考え方を知ることで、「矛盾しているように見える特性は、実はどちらも自分の大切な一部なんだ」と理解できるようになります。たとえば、注意散漫に見えるけれど興味のある分野には驚くほど集中できる、会話は苦手でも独自の発想力でアイデアを生み出せる――そんな「凸凹のセット」があなたの特性なのです。これは欠点ではなく、むしろ独自の魅力と可能性の源になります。
さらに、2eの人が持つ才能は、環境やサポートによって大きく花開きます。無理に「苦手を完全になくす」よりも、「得意を伸ばしつつ、困難さを調整する工夫」をすることが鍵になります。たとえば、苦手な部分にはサポートツールを活用する、周りに理解してもらう、小さなルールを決める――そんな工夫を重ねながら、得意な部分を自由に発揮していけばいいのです。
また、「凸凹があるからこそ見える世界」が必ずあります。他の人が気づかないことに敏感だったり、独自の感性で物事をとらえたりするのは、まさに2eならではの強みです。社会に出ると、こうしたユニークな視点が思いがけず役立つ場面も多くあります。つまり2eは「やっかいさ」と同時に「特別な力」を抱えているということなのです。
だから、「自分は2eかもしれない」と感じたとき、それは自分を理解するヒントになります。「自分には強みも弱みもあるけど、それは両方あって自然なこと」「どちらも私らしさをつくる要素なんだ」と思えると、少し心が楽になります。そして周りの人に「私はこういう凸凹があるんだ」と伝えることで、理解してもらいやすくなり、サポートも受けやすくなります。
2eとは、欠けているのではなく「二重に特別」だということ。あなたの凸も凹も、両方そろって初めてのオリジナル。その個性こそが、あなただけの可能性を広げてくれるのです。
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筆者のコメント
凸凹さん、ありがとうございます。
私もまさに2eですね・・・。優れた分野だと言っていただけていること(凸)と、物凄く苦手とする分野(凹)が本当に極端なのです。
凸凹さんはそんな私が考える凸凹の概念と2eの概念をうまく組み合わせてお話ししてくださいました。
私も凸凹さんが言うように、自身の苦手なこと(凹)も個性だと肯定的に捉えております。欠点もあって思い悩むからこそ人間は成長すると考えております。私も自身の苦手なこと(凹)で大いに思い悩んで成長したからこそ今があります。
・・・それにしても、『2eの人は周りから「すごくできる部分」と「なぜか苦手に見える部分」が混ざっているため、誤解されやすいことがあります。才能が目立つと「全部できるはず」と思われ、苦手な部分が理解されにくい。一方で、困難さが目立つと「できない人」と決めつけられ、才能が見過ごされてしまうこともあります。こうしたギャップが、本人の自己肯定感を下げてしまうこともあるのです。』こちらの行には共感することばかりでしたね・・・。
私は例えばレポートなどの文章を作成する能力や語学力などは周りに比べて突出していたため、大学の頃などは周りから「レベルが違う」「すごい」と言われて続けてきました。しかし一部のことに才能があるからと言ってもあらゆることがすべてできるわけではありません。私は一人でできる作業に関しては才能を発揮できる(凸)のですが、チームやグループなど集団で取り組まなければいけないことに関しては本当にうまくできません(凹)。得意な分野を褒められることはもちろん嬉しいのですが、苦手な分野で大きく悩んでいることも知ってほしかったものです。
「人々とうまくやっていく能力」「人々と仲を深めていく能力」が私には十分にありません(凹)から、社会で上手に生きていくことがうまくできないのです。
とはいえ私は決して「人と関わることを避けている」わけではありません。むしろ「様々な人々と関わりたい」という気持ちがあるのです。
「人とある程度関われるけど、人と関わることを避けている」方から「人とある程度関われる」能力を分けてもらいたいくらいですね・・・。
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ですから私は「人と関わりたい」のです。
お悩みの皆さまや周りの方々は、私でよろしければこちらからお気軽にご相談くださいませ。
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お読みいただき、ありがとうございました。