1592.ヴェネツィア本島から北に行くとある、「ヴェネツィアン・グラス」と呼ばれるガラス工芸で知られるムラーノ島。【ヴェネツィア ~第二の故郷~ 第25回】
2025/09/25
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ヴェネツィア ~第二の故郷~
私はイタリアの「水の都」と呼ばれる街、ヴェネツィアに約1年間留学した経験があります。
『ヴェネツィア ~第二の故郷~』と題した本企画は、私がヴェネツィア留学の思い出をヴェネツィア出身という設定のオリジナルキャラクター「マルコ」「キアーラ」とともに語っていく企画です。
それでは今回も前回に引き続き、マルコとキアーラにいろいろと語っていただきましょう。
ムラーノ島
25回目の今回は「ムラーノ島(Murano)」について書いてみます。
ムラーノ島はヴェネツィア本島の北にあります。前回ご紹介したサン・ミケーレ島のすぐ近くです。ムラーノ島は日本では「ヴェネツィアン・グラス」と呼ばれるガラス工芸で知られる島です。
こちらはムラーノ島にある時計塔周辺の風景です。
それでは、マルコとキアーラにムラーノ島を解説していただきましょう!
マルコとキアーラによる解説

(画像はイメージです。)
※これらのキャラクターのイラストはChatGPTにより制作したものです。セリフの文章もChatGPTで生成したものに私が手を加えております。解説される歴史的内容は諸説ある場合があります。参考程度にご覧くださいませ。
この色が右にいる男性・マルコの発言です。
この色が左にいる女性・キアーラの発言です。
そしてこの色は私による文章です。
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チャオ、マルコ!チャオ、キアーラ!ヴェネツィア本島の北にあるムラーノ島は、ガラス工芸で有名な島ですよね。日本ではヴェネツィアン・グラスとして知られる様々なガラス製品は本当に美しいです。そんなムラーノ島について解説してみてください!
チャオ!今日はヴェネツィア本島の北にある、とても有名な島について話そう。そう、ムラーノ島だよ。ここは「ガラスの島」として世界中に知られていて、日本でも「ヴェネツィアン・グラス」という名前で愛されているよね。観光で訪れる人の多くが、この島の工房を楽しみにしているんだ。
チャオ、マルコ!その通りね。ムラーノ島でガラス作りが盛んになったのは13世紀のことなの。ヴェネツィア政府が本島の工房を移転させたのがきっかけだったのよ。当時、ガラスの生産は火を使うから、木造の建物が密集する本島で火事が起きる危険が高かったの。だから安全のために職人たちをムラーノ島へ集めたのよね。
そうだったね。その結果、ムラーノ島はガラス職人たちの島となって、独自の技術がどんどん磨かれていったんだ。例えば透明なガラス「クリスタッロ」や、乳白色の「ラッティモ」、さらに鮮やかな色ガラスを組み合わせた「ミッレフィオーリ」なんかは、この島の職人たちが生み出した傑作だよ。芸術品としても実用品としても、世界中で高く評価されているんだ。
ええ、しかも職人たちの技術は家族や一族の秘密として守られてきたのよね。ガラスの配合や製法は門外不出で、職人たちは島の外に出ることさえ厳しく制限されていたの。もし秘密を漏らそうとしたら処罰を受けることもあったほどよ。それだけガラスはヴェネツィアにとって重要な産業だったのよ。
確かに、ガラスはヴェネツィア共和国の富を支える大きな柱だったからね。でも同時に、その技術があまりに美しく魅力的だったから、王侯貴族や商人たちが競って注文したんだ。宮殿を飾るシャンデリアや、晩餐を彩るグラスは、単なる道具ではなく「ステータスシンボル」そのものだったんだよ。
ムラーノ島を訪れると、その歴史が今も息づいているのを感じるわ。島にはガラス博物館があって、古代から近代までの作品が展示されているの。ガラスで作られた聖具や器、彫刻作品は本当に圧巻よ。そして観光客が特に感動するのは、職人たちが実際にガラスを吹いて形をつくる実演じゃないかしら。真っ赤に溶けたガラスがみるみる花や馬の姿になるのを目の前で見ると、まるで魔法みたいなのよ!
あれは本当に忘れられない光景だね。ガラスは光を受けて輝き、色も変化するから、作品そのものが「生きている」ように見えるんだ。だからこそ、ヴェネツィアン・グラスは世界中の人々を魅了し続けているんだろうね。僕も子どもの頃、家族で買った小さなガラスの小物を今でも大切に持っているよ。
私もそうよ。ムラーノ島のガラス製品は、お土産としても人気だけど、実際に使うと暮らしがちょっと特別なものになるの。ワイングラス一つでも、夕食のひとときが華やぐのよね。島を歩きながら小さな工房をのぞいたり、お気に入りの一点を探したりするのも旅の醍醐味だと思うわ。
そうだね、ムラーノ島はただの観光地ではなくて、職人の誇りと伝統が生きている場所なんだ。だから訪れるときは、単に買い物をするだけじゃなくて、その歴史や背景に思いを馳せると、もっと深く楽しめると思うよ。
ええ、ムラーノ島は「光を閉じ込めた島」とも言えるわね。ガラスに宿る光と色彩は、まるでヴェネツィアそのものを映し出しているみたい。だからこそ、ここを訪れる人々の心に、ずっと残り続けるのよ。
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マルコ、キアーラ、グラツィエ!(ありがとう!)
私も留学中ムラーノ島を訪れてガラス工芸の工房を見学したことがあります。ガラス工芸を作っていく様子の実演なども拝見した記憶があります。
そして様々なヴェネツィアン・グラスによる工芸品を拝見しましたが、様々な色ときらめきの美しさを思い出します。
ヴェネツィア本島の工房をムラーノ島に移転させた歴史的経緯があったのですね。長い歴史とともに今でも世界的に高い評価を受けているヴェネツィアン・グラスを生産しているのが、このムラーノ島です。
余談ですが、「ヴェネツィアン・グラス(ベネチアングラス)」という名前はいわゆる和製英語で日本でのみ用いられている言葉です。英語では「Venetian glass(ヴィニーシャン・グラス:ヴェニスのガラスという意味)」と呼ばれており、イタリア語では「vetro di Murano(ヴェートロ・ディ・ムラーノ、ムラーノ島のガラスという意味)」と呼ばれております。とはいえ日本では「ヴェネツィアン・グラス」という名前で普及しておりますので、私もヴェネツィアン・グラスと呼んでいます。
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それではまた次の回で。チャオ!
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お読みいただき、ありがとうございました。
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