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1590.ヴェネツィア本島から少し北に行くとある、墓地があることで知られるサン・ミケーレ島。【ヴェネツィア ~第二の故郷~ 第24回】

2025/09/23

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ヴェネツィア ~第二の故郷~

ヴェネツィア ~第二の故郷~

私はイタリアの「水の都」と呼ばれる街、ヴェネツィアに約1年間留学した経験があります。

『ヴェネツィア ~第二の故郷~』と題した本企画は、私がヴェネツィア留学の思い出をヴェネツィア出身という設定のオリジナルキャラクター「マルコ」「キアーラ」とともに語っていく企画です。

それでは今回も前回に引き続き、マルコとキアーラにいろいろと語っていただきましょう。

サン・ミケーレ島

24回目の今回は「サン・ミケーレ島(San Michele)」について書いてみます。

サン・ミケーレ島はヴェネツィア本島から少し北の位置にあります。

普段は陸続きではなくヴァポレット(水上バス)などで行く島なのですが、毎年11月の初め頃に仮説の橋が架けられます。こちらの記事(イタリア語)によると、今年(2025年)は10月30日(木)から11月6日(木)まで仮説の橋が架かるようですね。

それでは、マルコとキアーラにサン・ミケーレ島を解説していただきましょう!

マルコとキアーラによる解説

ヴェネツィアのサン・ミケーレ島で厳かな雰囲気のマルコとキアーラ。

(画像はイメージです。)

※これらのキャラクターのイラストはChatGPTにより制作したものです。セリフの文章もChatGPTで生成したものに私が手を加えております。解説される歴史的内容は諸説ある場合があります。参考程度にご覧くださいませ。

この色が右にいる男性・マルコの発言です。

この色が左にいる女性・キアーラの発言です。

そしてこの色は私による文章です。

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チャオ、マルコ!チャオ、キアーラ!ヴェネツィア本島のすぐ北にあるサン・ミケーレ島は、墓地があることで知られていて厳かな雰囲気の島ですよね。サン・ミケーレ島について解説してみてください!

チャオ!今日は少し静かで厳かな雰囲気のある場所について話そう。ヴェネツィア本島のすぐ北に浮かぶ小さな島、サン・ミケーレ島だよ。ここは「死者の島」とも呼ばれていて、ヴェネツィアの共同墓地が広がっている特別な場所なんだ。

そうね、マルコ。ヴェネツィアは本島が水に囲まれているから、都市の中に大きな墓地をつくる余地がなかったのよね。そのため、19世紀のナポレオン時代に、サン・ミケーレ島を墓地専用の島にすることが決められたの。以来、ヴェネツィアの人々はもちろん、芸術家や作曲家、詩人といった名だたる人々もここに眠っているのよ。

有名な人物といえば、ロシアの作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーやアメリカの詩人エズラ・パウンドが埋葬されているね。芸術や音楽の都ヴェネツィアらしく、この島もまた文化の記憶を宿している。墓地といっても、白い壁に囲まれ、糸杉の並木が立ち並ぶその姿は荘厳で、どこか美しさを感じさせるんだ。

確かに、島全体がとても静かで、訪れると時間の流れがゆっくりになるような感覚になるのよね。ヴェネツィアの人混みからほんの数分ヴァポレットに乗るだけで、まるで別世界に来たような気持ちになるわ。糸杉の影が長く伸びる小道を歩いていると、自然と声をひそめたくなるほど、厳かな空気が漂っているの。

観光客にとっては、華やかなカナル・グランデやサン・マルコ広場とはまったく異なる体験になるだろうね。ここは写真を撮るよりも、むしろ立ち止まって静かに考えごとをしたり、亡くなった人々に思いを馳せたりする場所なんだ。だから、観光というよりは「巡礼」に近い体験になるかもしれないね。

それに、サン・ミケーレ島は建築的にも注目されているの。特にサン・ミケーレ教会は、ルネサンス建築の初期を代表する建物のひとつで、15世紀に建てられたものよ。白い石造りのファサード(建物正面のデザイン)は、墓地の島にふさわしく静謐で、なおかつ威厳を感じさせるデザインなの。教会そのものが「永遠の眠り」を象徴しているみたいに見えるのよ。

なるほどね。そう考えると、サン・ミケーレ島は単なる墓地ではなく、ヴェネツィアという都市の歴史や信仰、文化をすべて映し出す鏡みたいな存在なんだろうね。ヴェネツィアが海に浮かぶ街である以上、死者もまた「水に抱かれて眠る」というイメージは、とてもこの街らしい象徴だと思うよ。

本当にそうね。観光客にとってはあまり派手な目的地ではないけれど、ヴェネツィアを深く知りたい人にはぜひ訪れてほしい場所だと思うわ。華やかなパラッツォや運河だけでなく、この静謐な島に足を運ぶことで、ヴェネツィアという都市のもうひとつの側面を感じられるはずよ。

うん、サン・ミケーレ島は、ヴェネツィアが「生きる街」であると同時に、「記憶を抱く街」でもあることを教えてくれるね。静かに海に囲まれたこの島で、永遠に眠る人々を想うことは、僕たち自身の人生を振り返るきっかけにもなるんだ。

そうね、マルコ。サン・ミケーレ島は、ヴェネツィアの華やかさとは正反対の顔を持ちながらも、この街の本質を知るうえで欠かせない場所なの。訪れる人にとっては、きっと忘れられない体験になると思うわ。

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マルコ、キアーラ、グラツィエ!(ありがとう!)

2人のお話のように、サン・ミケーレ島は墓地専用の島として知られています。そのこともあり島全体が荘厳な雰囲気を醸し出しているのです。

墓地を拝見すると、それだけかつて生きていた方々がおり、その方々が歴史を紡ぎあげていった延長線上に現代があることを思い知らされます。

先人たちが作り上げていった歴史をこれから作っていくのは現代を生きる我々であることを改めて感じることができました。

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それではまた次の回で。チャオ!

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お読みいただき、ありがとうございました。

ヴェネツィアのことでお尋ねしたいことがございましたら、私でよろしければこちらからお気軽にどうぞ!