1587.17世紀に建てられた白の大きくて美しい教会、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂。【ヴェネツィア ~第二の故郷~ 第21回】
2025/09/20
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ヴェネツィア ~第二の故郷~
私はイタリアの「水の都」と呼ばれる街、ヴェネツィアに約1年間留学した経験があります。
『ヴェネツィア ~第二の故郷~』と題した本企画は、私がヴェネツィア留学の思い出をヴェネツィア出身という設定のオリジナルキャラクター「マルコ」「キアーラ」とともに語っていく企画です。
それでは今回も前回に引き続き、マルコとキアーラにいろいろと語っていただきましょう。
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂
21回目の今回は「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂(Basilica Santa Maria della Salute)」について書いてみます。
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂はこちらにあります。
その白くて美しい風貌が特徴の大きな聖堂です。
それでは、マルコとキアーラにサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂を解説していただきましょう!
マルコとキアーラによる解説

(画像はイメージです。)
※これらのキャラクターのイラストはChatGPTにより制作したものです。セリフの文章もChatGPTで生成したものに私が手を加えております。解説される歴史的内容は諸説ある場合があります。参考程度にご覧くださいませ。
この色が右にいる男性・マルコの発言です。
この色が左にいる女性・キアーラの発言です。
そしてこの色は私による文章です。
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チャオ、マルコ!チャオ、キアーラ!ヴェネツィアのサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂は実に美しいですよね。ここの前を通ると入口の階段には多くの観光客たちが座ってゆったりと時間を過ごしている光景を目の当たりにしました。そんなサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂について解説してみてください!
チャオ!サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂は、ヴェネツィアを象徴するバロック建築のひとつだよね。カナル・グランデ(大運河)の入り口に堂々と建っていて、遠くからでもその大きな白いドームが目を引くんだ。ヴェネツィアに来る船の多くが、まずこの聖堂の姿を目にすることになるんだよ。
本当に印象的な聖堂よね。17世紀にペストの流行をきっかけに建てられたことは有名な話よ。ヴェネツィアの人々はペストからの解放を願って、聖母マリアに捧げる聖堂を建てると誓ったの。そして完成したのがこの「サルーテ(健康・救済)」という名前を冠した聖堂なのよ。
設計したのはバルダッサーレ・ロンゲーナという建築家で、彼の代表作としても知られているんだ。彼はまだ若かったけど、この聖堂の設計で一気に名声を得たんだよね。丸いドームと八角形の構造はとても斬新で、ヴェネツィアの景観に力強さと優雅さを与えているんだ。
そうそう、八角形の平面は聖母マリアを象徴する意味もあって、建物自体が祈りの形のようになっているのよね。内部に入ると、天井まで届きそうなほどの高さのドームがあって、その壮大さに圧倒されるわ。祭壇にはティツィアーノやティントレットなど、ヴェネツィア派の巨匠たちの絵画も飾られているの。
特にティツィアーノの「ダヴィデとゴリアテ」やティントレットの「カナの婚礼」は必見だね。美術好きにはたまらない場所だと思うよ。聖堂そのものが芸術作品みたいだけど、そこにさらに絵画や彫刻が加わって、文化の宝庫になっているんだ。
外の階段も忘れちゃいけないポイントよね。大運河を見渡せる場所にあって、観光客も地元の人もよく座って休憩しているの。私も学生の頃、友達とジェラートを片手に階段に座って、運河を行き交うゴンドラやヴァポレットを眺めながら語り合ったことを覚えているわ。
僕も同じような思い出があるよ。試験が終わった後に、サルーテの階段で一息ついて「やっと解放された!」なんて叫んだこともあったな(笑)。観光地でありながら、ヴェネツィア人にとっても大切な憩いの場所なんだ。
そして毎年11月21日には「サルーテ祭」が行われるのよね。ペストからの解放を記念して、市民がこの聖堂まで橋を渡ってお参りに来るの。今でも多くの人々が健康を祈って訪れる大切な伝統行事なのよ。
そのときだけ架けられる仮設の橋を渡るのは特別な体験だよね。ヴェネツィアの信仰と歴史を肌で感じられる瞬間だと思う。サルーテ聖堂は単なる美しい建物じゃなく、ヴェネツィア人の祈りと希望が形になった象徴なんだ。
そうね。だからこそ、観光客もただ外観を見るだけでなく、少し立ち止まってその背景や歴史を感じてほしいわ。白い大理石に反射する光や、運河に映る姿まで含めて、この聖堂はヴェネツィアの心そのものだと思うの。
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マルコ、キアーラ、グラツィエ!(ありがとう!)
サルーテ(salute)はイタリア語で「健康」という意味の単語ですが、その名前にペストからの解放への願いが込められていたのですね。
二人のお話にも出てきたように、聖堂自体が芸術作品のような美しさにもかかわらず、その内部にはイタリアの名画家・ティツィアーノやティントレットの作品も展示されているとは・・・。
前回ご紹介したザッテレから近い場所ということもありこのあたりはよく訪れていたのですが、いろいろと新たにこの場所について知ることができました。マルコとキアーラ、いつもありがとう!
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それではまた次の回で。チャオ!
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お読みいただき、ありがとうございました。
ヴェネツィアのことでお尋ねしたいことがございましたら、私でよろしければこちらからお気軽にどうぞ!
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