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1575.ヴェネツィア本島とイタリア本土を結ぶ、長さ3850mのリベルタ橋。【ヴェネツィア ~第二の故郷~ 第11回】

2025/09/10

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ヴェネツィア ~第二の故郷~

ヴェネツィア ~第二の故郷~

私はイタリアの「水の都」と呼ばれる街、ヴェネツィアに約1年間留学した経験があります。

『ヴェネツィア ~第二の故郷~』と題した本企画は、私がヴェネツィア留学の思い出をヴェネツィア出身という設定のオリジナルキャラクター「マルコ」「キアーラ」とともに語っていく企画です。

それでは今回も前回に引き続き、マルコとキアーラにいろいろと語っていただきましょう。

11回目の今回は『リベルタ橋(Ponte della Libertàポンテ・デッラ・リベルタ)』について書いてみます。

リベルタ橋は、ヴェネツィア本島とイタリア本土を結ぶ長い橋です。上にある地図からその長さが伝わります。目印にしているのは橋の中央にあるモニュメントです。

前々回の記事前回の記事で解説したローマ広場やサンタ・ルチア駅からヴェネツィア本島を出ると、必ずこの橋を通ってイタリア本土へ行くこととなります。

こちらの画像はその橋の中央あたりのものです。向こうに見えるのがヴェネツィア本島ですが、かなりの距離があることがわかります。

それでは今回もリベルタ橋について、マルコとキアーラのお二方にお話ししていただきましょう。

マルコとキアーラによる解説

リベルタ橋と夕日のマルコとキアーラ。

(画像はイメージです。)

※これらのキャラクターのイラストはChatGPTにより制作したものです。セリフの文章もChatGPTで生成したものに私が手を加えております。解説される歴史的内容は諸説ある場合があります。参考程度にご覧くださいませ。

この色が右にいる男性・マルコの発言です。

この色が左にいる女性・キアーラの発言です。

そしてこの色は私による文章です。

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チャオ、マルコ!チャオ、キアーラ!ヴェネツィア本島とイタリア本土を結ぶリベルタ橋はその長さもあって、渡るとワクワクしますよね。そんなリベルタ橋について解説してみてください!

チャオ!今日はリベルタ橋(Ponte della Libertàポンテ・デッラ・リベルタ)について話そうか。ヴェネツィア本島と本土を結ぶ大切な架け橋だよね。この橋ができるまでは、ヴェネツィアに鉄道や車で直接入ることはできなかったんだ。まず鉄道橋が1846年に開通して、その後にその隣に道路橋が1933年に完成して、道路橋ができた当初はファシズムが根強かった当時の首相・ムッソリーニが名付けた「リットリオ橋」と呼ばれていたんだよ。

チャオ!そうそう、名前も興味深い変遷をしているわよね。第二次世界大戦後、1945年に「リベルタ(自由)」という名前に改称されたの。これはイタリアがファシズムから解放されたことを記念してのことなの。だから「リベルタ橋」というのは、単なる交通の橋じゃなくて、歴史的な意味もこめられているのよ。

長さもすごいんだよね。3850mあって、ヴェネツィアを訪れる人が最初に「水の都」に近づいていくあの特別な瞬間を演出している。鉄道と車道が並んで走っていて、鉄道の線路は4本、自動車道も複数レーンがあるんだ。まるで「陸」と「海」と「島」とを一気に繋ぐ生命線みたいな存在だよ。

私もあの橋を渡るとき、毎回ワクワクするの。特に電車で渡るときは、窓から見える風景がだんだんと水に囲まれたヴェネツィア本島に近づいていって、「ああ、いよいよヴェネツィアだ!」って胸が高鳴るのよね。観光客にとっても、地元の人にとっても、日常と非日常をつなぐ大事な体験の舞台なの。

そうだね。実際、サンタルチア駅に到着するまでのこの橋の区間が、旅のハイライトのひとつになっている人も多いんじゃないかな。特に初めてヴェネツィアに来る人にとっては、「海の上を電車が走っている!」って驚きがあるんだよね。あの体験は世界でもなかなかできない。

それに環境的にもすごく繊細な橋なのよ。ラグーナの水位や潮の流れに耐える構造が必要で、何度も補修や改修が行われてきたの。最新の技術を駆使しつつ、ヴェネツィアの風景と調和させているところがまた素晴らしいわ。車の交通量も多いから、毎日の暮らしにも欠かせないわね。

歴史的に見ても、この橋ができてからヴェネツィアのアクセスが格段に向上したんだ。それ以前は船でしか行けなかった都市に、鉄道や車で直接アクセスできるようになった。これは観光だけでなく、物流や経済にも大きなインパクトを与えたんだよ。

そうね。ヴェネツィアが孤立した「島の街」から、イタリア本土と直結する「開かれた街」へと変わった瞬間でもあるのよ。リベルタ橋の存在があったからこそ、現代の観光都市ヴェネツィアが形作られてきたといっても過言じゃないと思うの。

そして何より、名前の「リベルタ」=「自由」という響きが美しいよね。旅人にとっても、自由に世界を行き来する象徴のように感じられるし、歴史を知れば知るほど重みを増す名前だと思う。

本当にそうね。リベルタ橋は単なるインフラじゃなくて、ヴェネツィアに来る人々の心に自由や解放感を呼び覚ます象徴的な橋なの。だから、渡るたびにちょっとロマンティックな気持ちになるのかもしれないわね。

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マルコ、キアーラ、グラツィエ!(ありがとう!)

私もヴェネツィア留学中にはこのリベルタ橋を何度も渡りました。サンタ・ルチア駅からの鉄道で渡ることもあれば、ローマ広場からのバスで渡ることもありました。全長3850mと長いのですが、何度も渡っているとそれに慣れてあっという間に渡り終えてしまう。慣れって不思議ですね。

ヴェネツィア本島からリベルタ橋を渡り終えると、イタリア本土のメストレという地区に着きます。メストレはヴェネツィア本島と打って変わって現代的な街並みをしています。この21世紀らしい街並みなのですが、数百年前の街並みがそのまま残るヴェネツィア本島での生活に慣れているとまるでタイムスリップしたような不思議な感覚になったことを今でも覚えております。

留学中は何気なく渡っていたこのリベルタ橋ですが、今回のマルコとキアーラのお話によって「リベルタ橋」という名前になるまでにはイタリアの歴史が深く関わっていたことを知りました。戦争が終わって、「リベルタ(自由)」の世の中になったことを象徴して名付けられたことは知りませんでした。

マルコ、キアーラ、いつも本当にありがとう。次回も興味深い話を聞かせてください。

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それではまた次の回で。チャオ!

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お読みいただき、ありがとうございました。