1566.壮大な歴史を感じる造船所跡、アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア。【ヴェネツィア ~第二の故郷~ 第4回】
2025/09/03
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ヴェネツィア ~第二の故郷~
私はイタリアの「水の都」と呼ばれる街、ヴェネツィアに約1年間留学した経験があります。
『ヴェネツィア ~第二の故郷~』と題した本企画は、私がヴェネツィア留学の思い出をヴェネツィア出身という設定のオリジナルキャラクター「マルコ」「キアーラ」とともに語っていく企画です。
それでは今回も前回に引き続き、マルコとキアーラにいろいろと語っていただきましょう。
今回はヴェネツィアの造船所跡、(Arsenale di Venezia)」という場所について書いてみます。
アルセナーレは、ヴェネツィアの歴史を学ぶ授業の一環のフィールドワークで訪れたことを覚えています。地上からだけでなく、船に乗って水上からも拝見したことを覚えています。

こちらは船の上から撮影したアルセナーレに保管されているオブジェです。確かカーニバルで用いるものだとお伺いしましたが、確かではありません。
それでは本日もアルセナーレについて、このお二方に語っていただきましょう。
マルコとキアーラによる解説

※これらのキャラクターのイラストはChatGPTにより制作したものです。セリフの文章もChatGPTで生成したものに私が手を加えております。解説される歴史的内容は諸説ある場合があります。参考程度にご覧くださいませ。
この色が右にいる男性・マルコの発言です。
この色が左にいる女性・キアーラの発言です。
そしてこの色は私による文章です。
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アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア(ヴェネツィアの造船所跡)は物凄い迫力ですよね。私もここを訪れた際に、「ここでかつて様々な船がつくられていたのか」と歴史に思いを馳せていました。アルセナーレについていろいろと解説してみてください。
チャオ、ここがアルセナーレ・ディ・ヴェネツィアだ。初めて見るとその規模に息を飲むよね。長い石塀と大きな木製の門、かつてはここから何百隻もの船が出て行ったんだ。
そう、アルセナーレはただの造船所じゃないの。中世から近世にかけてのヴェネツィア共和国の「工場」であり、軍事と経済の要。ガレー船(人力で漕いで進む軍艦)を短期間で大量生産できたと言われるほど、組織力がすごかったの。
伝説的なのは「組み立てライン」的な効率性さ。一部は分業化され、素材や部品が整えられて各作業場で組み上げられた。人手も技術も集中して、港の風景が一変したんだ。
広い船渠(ドック)や造船用のスロープ、鍛冶屋や木工場、帆やロープを扱う工房がぎっしり。海と陸を繋ぐエネルギーがここに集約されていたのが伝わってくるわ。
戦時にはここで軍艦が整備され、旗を掲げて出撃した。平時には商船が修理され、貿易の車輪を回していた。だからアルセナーレは「共和国の腕」とも呼べる存在なんだよ。
木の香り、金属の響き、職人たちの掛け声。想像するだけで活気が蘇る。職人たちは代々の技を受け継ぎ、海を知るヴェネツィアの生活そのものがここに詰まっていたの。
建物の構造も見どころだ。巨大な門や長い運河沿いの壁、倉庫の連なりが、軍事施設としての機能を内包しつつも都市の景観に溶け込んでいる。遠目にも威厳があるんだ。
近年は文化施設として再利用される部分も増えて、ビエンナーレ(2年に1度開催される国際美術展覧会)の会場になったり展示が開かれたりするの。過去と現在が同居する場所として、別の魅力も見せてくれるのよ。
訪れるときは旧ドックの佇まいや門の重厚さ、そして水際に残る痕跡に注目してみて。何世紀もの船の記憶がそこに刻まれているから、ゆっくり歩くと歴史が耳元で囁くよ。
写真を撮るなら朝や夕方の斜光がおすすめ。鉄と石が温かく輝いて、造船所の荒々しさと繊細さが同時に写る。地元の案内を聞くと、さらに細かな逸話や職人の名前が聞けて楽しいわ。
僕の好きな想像は、夜明け前に職人たちが静かに道具を整え、海へ向けて息を合わせる光景。大きな仕事に向かう前の緊張と高揚が、街全体に波紋のように広がっていくんだ。
アルセナーレはヴェネツィアの「作る力」を象徴する場所。訪れると、ただ古い建物を見る以上に、人々の営みと時間の積み重ねを強く感じるはずよ。
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マルコ、キアーラ、グラツィエ!(ありがとう!)
二人のお話を興味深く聞くことによって、更にアルセナーレの歴史を感じることができました。ヴェネツィア共和国時代に重要な役割を果たしたのですね。
私は歩くことが好きなので留学中にはヴェネツィアの街並みをよく歩いておりましたが、サン・マルコ広場からアルセナーレの方向に向けての道を海沿いに歩くことが好きでした。
この画像の左側に行けばサン・マルコ広場で、まっすぐ行けばアルセナーレの方角です。
こちらはGoogleストリートビューの画像ですが、たくさんの観光客がいる様子も懐かしいです。

こちらは夜にアルセナーレを訪れた際に私が撮影した『ピレウスの獅子』と呼ばれる像です。
このように、様々な大きさの像があります。ライオンはヴェネツィアではサン・マルコ広場の名前の由来となっている聖マルコを表す象徴とされていることもあり、アルセナーレにもこのような像があるのです。
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それではまた次の回で。チャオ!
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お読みいただき、ありがとうございました。
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