1294.【小説】或除者の独白 幼少期編 第23話
2025/03/23
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或除者の独白
幼少期編
第23話
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私は学校でほとんど喋ることがありませんでした。一日の間、一言も喋らない日もありました。そんな日がどんな日だったか述べましょう。
「行ってきます!」
家で、私の理解者である母とはそれなりに会話ができておりました。この日も大きな声で挨拶をして学校に行きました。
・・・そこからは無言です。学校に着いてからも無言です。
周りの席では、いろんな子が楽しそうに話をしています。私は一人でじっとしたり、文房具で遊んだりしていました。
こうして午前の授業が終わり、給食の時間となるのですが、給食の時間も私は黙々と食べていました。喋らない私を見て、他の同級生はどう思ったでしょうか。奇妙に思ったでしょうか。
そして昼休みです。前にも述べましたが、教室内が騒がしい時は一人で校舎内を歩き回っていました。この校舎内を歩き回る様子は、今でもよく夢に出てきます。学校が出てくる夢は、だいたい一人で歩き回っている夢ですね。友だちと仲良く話す夢を見る方もいるかもしれませんが。私はそのような経験はほとんどなく、一人でいたことが印象深いのです。
教室内がそれほど騒がしくない時・・・、例えば多くの生徒が校庭や体育館に行っている時などは教室で自由帳に地図や迷路を書いていたことがよくありましたね。
地図とか、迷路とか、いろいろと想像して書いていくことは好きでした。今でもスマートフォンの地図アプリを見ることが好きですし、街歩きも好きです。こういったところは大人になっても残っていますね。
当時は家と学校を行き来する生活でしたので街歩きはしなかったのですが・・・、学校内を歩き回っていましたから、歩き回ることはずっと好きなのでしょうね。
さて、このような調子で他の子と会話をすることがなく、放課後となり家に直行しました。
「ただいま!」
「おかえり!」
家に帰ると、母が優しい声で出迎えてくれました。学校に馴染めていなかった私にとって、この一言だけでも安心感に包まれていました。
当時の私は感情を表に出せていませんでしたので、学校では一人でも平気な子と思われていたかもしれません。人とあまり関わりたくない子と思われていたかもしれません。
もちろん中にはそういう子もいるでしょうけれども、私は一貫して人と関わりたい気持ちはありました。ただ、どう関われば良いかわからなかったのです。
私に話しかけてくれた子にも、どう対応すれば良いかがわからずうまく対応できず、一見冷たい応答をしてしまったかもしれません。ただ、その裏側には関わりたいという気持ちがあったのです。
当時の同級生がそのことを知ると、意外な気持ちとなったことでしょう。私は人と関わりたくない、と誤解されていたことでしょうから。
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つづく
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