1203.【小説】魔法のスプリッツ 第9話
2025/02/09
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魔法のスプリッツ
第9話
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マルコとミケーレの期末テストの結果はさておき、今日もマリオとルイージは店で様々なお客さんに料理や酒を振る舞っている。
「それにしても、魔法のスプリッツっていい名前だよな。」
「魔法と言う名の俺らの企業秘密だけどな。」
緑の帽子を被り、緑の服を着たマリオと、赤い帽子を被り、赤い服を着たルイージが今日もいろいろと話している。
「すみません!魔法のスプリッツください!」
「こっちも魔法のスプリッツお願い!」
「この魔法のスプリッツってなんだい?」
お客さんも、『魔法のスプリッツ』という名前が気になったのもありどんどん注文をしている。
「この前来たマルコが思いついたフレーズを拝借したが、こんなにも反響があるとはな。」
「本当にびっくりだな。今日だけでも相当な売り上げだ。」
二人は魔法のスプリッツを作っている。
「魔法のスプリッツのカンパリ版もくれ!」
「私はセレクトね!」
スプリッツに用いるリキュールは、アペロールが最も定番のものであるが、カンパリやセレクトなど他のものを用いることもある。カンパリやセレクトのほうがアペロールより苦味があるのでこちらのほうが好きな人も多い。
「ボクも、ソフトドリンク版スプリッツを飲む!」
お酒が飲めない人や子どもたちのために、この店ではスプリッツ風ソフトドリンクも開発している。子どもでも飲むことができるソフトドリンクだが、スプリッツの味を忠実に再現している。こちらの製法ももちろん、企業秘密だ。
「ねぇルイージ、こんなにスプリッツの売り上げが上がったのはマルコのおかげだし、次来たときにまたお礼をしないかい?」
「確かにそうしたほうがいいかもなぁ。俺たちにとっては、この売り上げの変化こそが魔法だよ。」
果たして、マルコはまた来るのだろうか。
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つづく
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