1149.【小説】公園の亀趺 第13話
2025/01/15
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公園の亀趺
第13話
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武之助は、友達の梅三郎やみつと川遊びをしていた。
「あ、あそこに亀さんがいる!」
武之助は、大好きな亀を見つけた。ところが、亀がいるのは浅瀬ではない。しかも流れの速いところを渡らなければならなかった。
「危ないけど・・・度胸試しだ!」
浅瀬以外は危ないと武兵衛から口を酸っぱくして言われていたが、武之助はそのまだ小さい体の中に湧き上がる膨大な好奇心を抑えることができなかった。
武之助は、自身の腰まで浸かってしまうほど深いところに足を踏み入れた。
「あっ・・・!」
・・・その刹那、武之助のその体は川の流れに打ち勝つことができなかった。どんどん流されていく。
よりにもよって、一緒に来ていた友達のみつは蟹に、梅三郎はみつに夢中になってしまっており、武之助が流されていくことに全く気がついていない。
武之助は、あっという間に二人の前から姿を消してしまった。
「武之助〜!どこだ〜!?」
「どこにいるの〜?」
二人は武之助を呼んだ。しかし、どこに行ったか見当もつかない。
「もう、帰ったのかしら?」
「・・・そうかもな。そろそろ日が暮れるし、俺らも帰ろう!」
二人は何が起こっているのかも知らずに、それぞれの家路についてしまった。
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つづく
ちなみに亀趺は実在するものであり、こちらの記事でまとめております。

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