615.診断名を理解するよりも、一人ひとりの特性を理解する。【僕は発達凸凹でも、前向きに生きていく。第58回】
2024/02/06
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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今回は、診断名を理解することよりも、一人ひとりそれぞれの特性を理解するほうが大事だという意見をASD当事者として述べます。
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例えば、私はASDの診断を受けていますが、だからといってASDの特徴がすべて当てはまるわけではありません。
ASDの一般的なイメージとして、興味の範囲が限定的なことが挙げられますが、私は幅広いことに興味を持ちます。
また、同じASDの診断名でもよく喋るタイプの方がいれば、私のように口数が少ないタイプもいるのです。
このことから、現在の私は診断名には囚われていません。同じ診断名でも、その人自身の特性は十人十色だからです。
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しかし、世間では診断名を意識しすぎている人々もいる事実があります。
ASDの人々と関わる周りの人々が、「ASDだからこのような傾向」と決めつけてしまうおそれがあります。
例えば、私は決められた同じ作業を繰り返すより、このブログに毎日書いているように日々異なることを書くなど、創作することが好きです。しかし、一部のASDの人々が繰り返しを好むことから、私も繰り返しを好むと誤解された経験があります。
ASDという診断名の特性を理解したからこそ生まれる誤解・・・。これは複雑な問題ですね。
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更に、「発達障害」と呼ばれるあまりにも広すぎる概念もあります。
<「発達障害」の人々はこのような傾向>という決めつけが起こってしまっては、様々な誤解が生まれてしまう可能性があります。
「発達障害」の中でも人数が多いADHD(注意欠如・多動症)の人々と私は、かなり異なります。私は多動の反対の「少動」といえるほど、おとなしく、慎重で行動力がそれほどないのです。
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今回は、ASD当事者としての私の具体例を述べながら、診断名を理解することよりも、一人ひとりそれぞれの特性を理解するほうが大事という意見をご紹介いたしました。
同じ診断名でも、その特性は実に十人十色、千差万別です。
つまり、「この診断名だからこういう傾向」という誤解を生むことよりも、「この人はこういう傾向」と一人ひとりの特性を理解することが大事です。
この世界には、本当に「いろいろな人」がいます。「いろいろな人がいる」ということを意識していれば、様々な人々の特性も理解しやすくなるのでは、と考えています。
ご覧いただき、ありがとうございました。