451.小説『おれたち、鶴咲サンクス!』第21話 1981年の、吉野青年。
2023/10/22
※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。
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1981年。吉野常幸は、東京のとある大学の大学生だ。
「僕は吉野常幸です。みんなからヨッシーって呼ばれてます。よろしくお願いします。」
「え、本当?俺は吉田宗幸っていう名前なんだけど、俺ら本当によく似た名前だね!ちなみに俺はダムって呼ばれてるよ。」
よく似た名前の人と知り合うと、確かな親近感が生まれるものだ。人は自分自身の名前に敏感なものだ。よく似た名前を見かけると反応してしまう。
吉野常幸と吉田宗幸。このよく似た名前の二人は、とある音楽イベントで知り合った。
吉野が組んでいる電子音楽を駆使したテクノバンド、KOMUSUBIと、吉田が組んでいるロックバンド・THE GREEN STARSが同じイベントで演奏したため、会話をする機会があった。
「吉田さんもドラマーなの、本当にびっくりですよ!」
「俺ら、名前も似てるしバンドでのポジションも同じ・・・。親近感を禁じえないな。」
こうして吉野と吉田は意気投合した。
「僕たち、名前は似てますけど風貌は全然違いますね!」
吉野は当時流行していたテクノカットの髪型に、ジャケットスタイルの服装だ。それに対し吉田は、リーゼントの髪型に革ジャンという風貌なため、二人は対照的だ。
また、吉野は大学生だが、吉田は高校を中退してアルバイトをしながらバンド活動を続けている。
「大学生やりながらバンドやるの、大変じゃないか?」
「それを言うなら、バイトしながらやるのも大変でしょう!」
こういった話もした。
「Oi!Oi!Oi!よく似た名前のお二人さん!たまには三人で飲まないか~い?」
こう話しかけてきたのは、THE GREEN STARSのベース担当の大井遼司だ。最近イギリスを旅行した際に知ったOi!文化に影響を受けている。現代の鶴咲サンクスのベース担当・大井誠と同じ苗字でよく似た喋り方・風貌だが、血縁関係はない。
こうして吉野・吉田・大井の3人で飲むこととなった。
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つづく
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