434.小説『おれたち、鶴咲サンクス!』第14話 路面電車で、人間観察。
2023/10/15
※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。
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羅門譲は、鶴丸子電停から路面電車に乗り、現在住んでいる伯父・浩の家の最寄り電停まで帰る。
「(すっかりdark、暗くなってきたな。家に帰る人たちでいっぱいだ。)」
羅門は、人間観察が好きだ。路面電車に乗っている人々を観察して、どういう状況なのかを勝手に推測する。
「(ん、あの男子高校生、険しい顔だな。部活でうまくいってないのか?)」
羅門の向かい側に座っている男子高校生が、本当に真剣な顔をしている。
「え、つぅ~~~ぎぃ~~~~~はぁ~~~~~~~~~~、鶴咲駅前~、鶴咲駅前~。」
それにしても本日もワンマンの路面電車の運転手による案内は、クセがすごい。
やはり、鶴咲駅前で乗降する人がOi!、もとい、多い。
先ほどの男子高校生も、ここで降りた。
「(やけにhurry、急いでいるな。そういうのじゃなくて、待ち合わせか?)」
男子高校生は、電停のすぐ近くにあるトイレに入っていった。
「(なんだ、だから険しい顔だったのか。勝手にいろいろと推測しちまったぜ。)」
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「(この60代くらいの男性は、嬉しそうな顔だな。なんで嬉しいのか、guess、推測してみよう。)」
次に羅門の向かい側に座った男性は、スマートフォンを見ながらニコニコしている。
「(う~む、なぜそんなにsmile、笑みを浮かべているのだろうか。)」
すると羅門は、その男性のリュックサックにかけられているキーホルダーに目がついた。
「(これは・・・child、子どもの手作りか?60代くらいという風貌を考慮して、grandchild、孫が作ったのか?)」
「次は、野麻町です。」
「ピンポーン!」
羅門の最寄り電停なので、停車ボタンを押そうとしたが、向かい側の男性がすぐに押した。どうやら同じ電停で降りるようだ。
こうして羅門は路面電車から降りた。
「お父さん、おかえり!」
「おお、蓮!さっきSIGNしたが、家から近いからといって、電停で待たなくてもいいんだぞ!」
「(お父さん・・・?そうか、孫じゃなくて息子だったか。年齢を重ねてからできた息子、かわいいだろうな。)」
年齢差50歳以上と思われる親子の微笑ましいやり取りを聞きながら、羅門は家路につくのであった。
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つづく
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