389.おはなし『パオロは、いい子。』その16 テストが、かえってきた!
2023/09/27
※このおはなしは、ほんとうではないおはなし(フィクション)です。小さい子どもや日本語を学んでいる人たちにもよみやすいよう、かんたんな日本語、いわゆる「やさしい日本語」でかかれています。
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パオロは、めがさめたので、あさひをあびている。
「おひさま、きもちいいなぁ。」
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「パオロ、よふかししてたんじゃないか?ちゃんとねないとダメだぞ。」
ちちおやのフェデリコは、今日もきびしい。だが、パオロをしんぱいしてくれているのがわかる。
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「いってきます!」
パオロは学校にしゅっぱつした。
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「よぅパオロ!きのうのテストがかえってくるな!」
学校にむかってあるいていると、エミリオがこえをかけてきた。パオロたちがきのううけたテストが、今日かえってくる。
「エミリオは、はやくもんだいをとけてすごいね!」
「パオロがおそすぎるんだよ!それじゃ、先にいってるぞ!」
こうして、エミリオがはやく学校にむかううしろを、パオロはマイペースにあるいていった。
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「おはようございます!きのうのテストをかえしますよ。」
学校につくと、エンマ先生がさっそくテストをかえすようだ。
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「アリーチェさん・・・、45てん。これじゃいけませんね!」
「エミリオくんみたいにはやくとこうとしたけどむずかしくて・・・じかんかかったけどダメだったわ。」
エミリオにいつもついてまわるアリーチェは、よくないけっかだったようだ。
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「ジュリアさん・・・100てん!これで5れんぞくね!このちょうしよ!」
「ありがとうございます!」
パオロがきになるそんざいのジュリアは、いつもいいけっかだ。よくどりょくしているらしい。
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「エミリオくん・・・、70てん。あんなにはやくといて、よくできるわね。あと30てんは、もっとゆっくりとけばとれるかもね。」
「へへへ、はやくといてゆっくりしたいんで!」
エミリオはそこそこのけっかだった。
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「パオロくん・・・!」
ついにパオロのテストがかえってくる。パオロは、ドキドキしている。
「70てん!」
「えぇ!」
「うわぁ!」
エミリオとパオロが、どうじにさけんだ。じつはこのふたり、なかよくできるのかもしれない。
「もっとはやくといていけば、もっとうえのてんすうがねらえるかもね。」
「はい・・・がんばります!」
パオロは、エミリオとおなじてんすうでふくざつなきもちだ。
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テストがかえってきたあとのやすみじかんにはいった。
「よぅパオロ!オレとおなじてんすうなんて、なまいきだな!」
これまでパオロは、エミリオにいつもまけていた。はじめてひきわけだ。
「ボクのてんすうは、ボクのてんすうだよ!」
「つぎは、かってやるよ!」
「ボクは、エミリオはきにしないよ!」
エミリオはパオロをいしきしすぎるが、パオロはエミリオをきにしないようにこころがけているようだ。
こうして、しょくじのじかんがちかづいてきた。
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つづく
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