387.おはなし『パオロは、いい子。』その15 お兄さん、また会ったね。
2023/09/26
※このおはなしは、ほんとうではないおはなし(フィクション)です。小さい子どもや日本語を学んでいる人たちにもよみやすいよう、かんたんな日本語、いわゆる「やさしい日本語」でかかれています。
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ねむりについたパオロはまた、ゆめをみている。
パオロは、ゆめのなかで学校にいる。
「エミリオ、すごいわね!5ふんでおわったのかい?」
エミリオが5ふんでしゅくだいをときおえたようなので、エンマ先生がおどろいている。なんでといたじかんがわかるんだろう、とパオロはおもっているが、これはゆめのなかだからだ。
「パオロ・・・、1じかんもかかったのかい?いくらなんでもおそすぎるわよ!」
エンマ先生は、きびしい。なんで1じかんかかったかがわかるのかもわからないまま、パオロはしかられてしまった。ほんとうのエンマ先生は、ここまでしからないのに。
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やすみじかんに、パオロは学校のなかにわでひとりすわっている。
「はぁ、ボクはどうしてももんだいをはやくとけないよ。ボクはダメなのかなぁ。」
パオロは、おちこんでいるようだ。
「パオロくん、また会ったね!」
きのうのゆめにもでてきた、おなじなまえのパオロというお兄さんが、またこえをかけてきた。
「あ、おなじなまえのお兄さん。ボク、どうしてももんだいをはやくとけないんだ!」
「パオロくん、ゆっくりでも、ちゃんとさいごまでといたならいいじゃないか。エミリオくんみたいにはやくとけるひともいれば、そうじゃないひともいる。パオロくんは、パオロくんらしくだ。」
「お兄さんは、どうだったのかな?もんだいをはやくとけた?」
「ぼくも、もんだいをとくのはおそかったよ。テストのとき、まにあわなかったことだってある。でも、いちどおぼえたことは、わすれにくいんだ。パオロくんも、そうじゃないか?」
「そうだよ!ボクも、よくおぼえてるね、っていわれたことあるよ!お兄さん、なんでわかるの?」
「それは、ないしょだよ。いずれわかるさ。パオロくんは、すぐにはけっかがでないかもしれない。でも、コツコツとやっていると、いいことがあるかもよ。これからも、パオロくんらしく!」
すると、お兄さんはいなくなった。
「お、お兄さん!いかないでよ!」
お兄さんがいなくなってすぐに、パオロはめがさめた。
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つづく
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