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366.おはなし『パオロは、いい。』その8 なんでも、いつもビリ。

2023/09/18

※このおはなしは、ほんとうではないおはなし(フィクション)です。ちいさいどもや日本語にほんごまなんでいるひとたちにもよみやすいよう、かんたんな日本語にほんご、いわゆる「やさしい日本語にほんご」でかかれています。

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パオロは、学校がっこうでテストもんだいをといている。

「(う~ん、このもんだいは・・・。)」

パオロは、ほんとうにかんがえるのがゆっくりだ。エミリオが30びょうでとくもんだいに、3ぷんかかってしまうこともある。

「ルカくん、おつかれさま。」

「ベアトリーチェさん、いつもよりいい顔ね。よくできたのかしら?」

まわりのたち、どんどんもんだいをときおえて、エンマ先生せんせいにわたしている。

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「あと5ふんよ。」

テストじかんは、のこりわずかだ。まだもんだいをといているのは、クラスでパオロだけだ。

「(なんで、ほかのみんなはこんなにはやくもんだいがとけるんだろう。)」

パオロは、じぶんのペースでもんだいをときつづけた。

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「(よし、さいごのもんだい、といた!)」

「時間切れよ。」

エンマ先生せんせいが、テストしゅうりょうをあいずした。

今日きょうもパオロくんだけ、さいごまでのこったわね。」

「ボク・・・いつもビリだ。」

「パオロくん!だいじなのはもんだいをはやくとくことじゃなくて、どれだけとけたかなの。はやさはビリでも、じかんないにとけたじゃない。」

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「それじゃ、テストけっかを、おたのしみにね。」

エンマ先生せんせいがきょうしつをでたとどうじに、べつのへやにいたほかのたちがきょうしつにはいってきた。

「おいパオロ!今日きょうもビリかい?いつもおまえ、もんだいとくのおそいな!」

エミリオがいつものように、パオロをからかった。

「でも先生せんせいがいってたよ!もんだいをはやくとくことじゃなくて、どれだけとけたかがだいじだって!」

「ふん、てんすうでもオレがかってるにきまってる!」

「それはわからないよ!」

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こうして、パオロやエミリオたちはあさのべんきょうをすすめていった。

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つづく