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319.小説『ありがと~い!』第70話 BuonOi! (お~いしい!)

2023/08/31

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、イタリアの水の都・ヴェネツィアにいる。サン・マルコ広場に行きたいので道を訪ねたら、案内してくれることになった。案内するのは、ヴェネツィアの大学で学んでいるマルコくんだ。

「誠さん、お腹空いてませんか?」

「Oi!Oi!Oi!日本語喋れるのか~い?」

「私、大学で日本語学んでます。」

ヴェネツィアは歴史的背景もあり国際色豊かな街だ。そのこともあってか、大学では様々な言語を学ぶ学生がおり、日本語を学ぶ学生もいる。マルコくんは偶然、日本語を学んでいるようだ。

「ピッツァのお店、行きませんか?」

「それじゃ、ピザ食べましょ~い!」

こうして、大井はマルコくんとピザを食べることになった。

「Ciao Marco!(お、マルコ!)」

「Ehi, ciao Francesca!(おお、フランチェスカじゃん!)」

マルコが、大学の知り合いの女性、フランチェスカさんと遭遇したようだ。ヴェネツィアはそれほど広い街ではないため、こうやって知り合いと遭遇することが実によくある。

「Ciao, ci vediamo dopo!(それじゃ、また今度ね!)」

「それじゃ、行きましょうか。」

フランチェスカさんと話し終えたようだ。

「何を話しているか全然わからなかったぞ~い!」

「イタリア人同士だと、とても速く話しますからね。私も日本人同士の日本語を聞き取るのはまだ難しいですよ。」

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「ここが、私が好きなピッツァのお店です。」

『Pizzeria Casanova(ピッツェリア・カサノヴァ)』というお店だ。その店名は、ヴェネツィア出身のジャコモ・カサノヴァにちなんで名付けられたのかもしれない。

こうして、大井はマルコくんとピザを注文した。大井はチーズが好きなので、4種のチーズが入った『クワトロ・フォルマッジ』を注文した。飲み物はもちろん、『コック・コーラ』だ、マルコくんは、シンプルな『マルゲリータ』を注文したようだ。

「Oi!Oi!Oi!BuonOi!(お~いしい!)」

BuonOi!とは、「良い、おいしい」という意味合いの「Buono(ブオーノ)」という単語をこれまた大井が勝手に語尾にOi!を付けたものである。

「ピッツァ(Pizza)は女性名詞ですから、Buonaって言わないとイタリア人にとっては不自然ですよ。」

「そうなのか~い!文法的説明、Ti ringraziOi!(ありがと~い!)でもBuonAi!っては言えないんで、オレはBuonOi!って言うぞ~い!」

「誠さん独自の言い回し、良いですね!」

こうして、大井はマルコくんとピザを楽しんだ。

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つづく