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279.小説『ありがと~い!』第50話 ベースの前任者に、ありがと~い!

2023/08/11

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、音楽サークルの部室にいる。ボーカルの羅門くん、ギターの浦西さん、ドラムの吉野教授のロックバンドに、ベースとして加入することとなった。

「でも、オレがベースやるのはいいけど、ベース持ってないぞ~い!」

「Don't worry、安心しろ。あそこを見てくれ。」

そこには、ベースが置いている。

「Predecessor、前任者がいらないからって部室にベースを置いて行ってくれたんだ。それを使うといい。」

「彼はPredecessor(前任者)、私はProfessor(教授)♪」

「あ、今日の吉野さんの親父ギャグが炸裂しましたね!アタシ、好きですよ!」

「おれはそこまでだ。正直、boring、つまらない。だが尊重はする。」

吉野教授の親父ギャグに、浦西さんは好意的だが、羅門くんはそこまでのようだ。大井の反応は、いかに。

「オレも親父ギャグ好きなので、面白いぞ~い!面白r・・・」

大井は、腹を抱えて笑っている。そう、大井は浦西さん以上に親父ギャグが大好きなのだ。

「大井くん、私の親父ギャグを気に入ってくれてありがとう。大井くんも、思いついたらどんどん言うといいですよ。」

「それは、やめときま~す!」

自分から親父ギャグを言うのは、恥ずかしいようだ。

「前任者の方は、なんで脱退したんだ~い?」

「それは、また今度explain、説明するとしよう。今はとりあえず、そのベースを使ってくれ。」

こうして大井は、ベースのもとへ向かった。

「Oi!Oi!Oi!Tenderじゃないか~い!オレでも知ってる有名なメーカーだぞ~い!」

Tender(テンダー)は、その名の通り優しさ、柔らかさを込めた楽器制作をしているメーカーだ。その楽器を握ると、手触りの良さに定評がある。

「大井は、instrument、楽器は何もやったことないんだよな?」

「そうだぞ~い!」

「じゃあまずは適当にベースをtouch、触ってみてくれ。チューニングは終えてある。」

「Oi!Oi!Oi!Oi!Oi!なんだこの優しい触り心地・・・これがTenderの人気の秘密か~い!?こんな素晴らしいベースを置いて行ってくれた前任者に、ありがと~い!」

「Tender、いいよな。だがおれは、Buzzkite(バズカイト)派だ。だがそれが彼の脱退理由じゃないぞ?」

こうして大井は、適当にTender社製のベースを触ってみるのであった。

...

つづく