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185.小説『ありがと~い!』第12話 お参りができることに、ありがと~い!

2023/07/03

※こちらのカテゴリでは自由な物語を書いていきます。こちらのカテゴリに書いてあることは基本的にフィクションです。登場する人名・地名・商品名などの名称は例外を除き架空のものです。

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大井誠は、近所を散歩することにした。

大井が住む令和町は、大学の近くに位置する鶴咲の学生街だ。少し歩けば、冨吉(とみよし)商店街がある。この商店街はアーケードになっており、昔ながらの雰囲気を残す人情味あふれる商店街だ。

このあたりは学生がOi!・・・もとい、多い地区ではあるものの、冨吉商店街のような昔ながらの街並みも色濃く残り、様々な世代が暮らしていることが特徴的だ。

大井は、神社に行くことが好きだ。ここにある冨吉神社にも、よくお参りに来ている。

「(神社に行くと、落ち着くぞ~い!)」

大井は、冨吉神社の鳥居をくぐった。

神社への参拝の作法は、いろいろと複雑だ。大井は自己流で参拝しているが、二礼二拍手一礼は守っている。

大井は、101円を賽銭箱に入れた。こういうところでも、「Oi!」を作りたいのだ(1「01」円)。

大井は二礼二拍手を済ませた。そして一礼し、お参りをする。

「(これからもオレ自身はモチロン、家族や周りの人々も健康で穏やかに暮らせますヨウに。)」

大井はいつも、このように自身と周りの人々の健康を願っている。

「(ヨシ、たまにはおみくじを引くか!)」

大井は賽銭箱の近くにあるおみくじを購入した。

「(Oi!Oi!Oi!Oi!大凶なんてメッタにないんじゃないのか~い!?)」

なんと、大井は最も悪い運勢とされる大凶を引いてしまった。

「(大凶でも、お参りができることに、ありがと~い!)」

いつも感謝の心を忘れない大井は、こんな時にでもポジティブ思考を貫く。大凶でも、こうやって元気にお参りができている事実に感謝するのだ。

おみくじにも、「感謝の心を忘れずに さすれば道は開かれる」と書いてあった。

「(これからも、いろんなことに、ありがと~い!)」

こうして大井はおみくじを結び、冨吉神社をあとにするのであった。

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つづく