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1705.DCD当事者は、動きがぎこちなく不器用な傾向にあるのです。【連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~ 第2回】

2025/12/29

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連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』

連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~

この度、私も診断を受けている特性・DCD(発達性協調運動症)を広く知ってもらうために新たに連載を始めることといたしました。

DCD(発達性協調運動症)とは

DCDは様々な運動を組み合わせて行う、いわゆる「協調運動」に困難を感じる特性です。

上にある画像の左下でもDCD当事者の具体例が老若男女様々な人々によって示されております。

「包丁で料理をする」「手書きで文字を書く」「駅の改札を通る」「服のボタンを開け閉めする」「靴ひもを結ぶ」「きれいに食べる」

こういった日常の些細な動作に著しく困難を感じて、生きづらさを抱える人々がいる現実があるのです。

タイトルにある『5%』とは、全体におけるDCDの傾向が認められる当事者の割合とされる数字です。

オリジナルキャラクター『DCだるま』と語るDCDと不器用

DCD啓発オリジナルキャラクター『DCだるま』

それでは今回は、こちらのオリジナルキャラクター『DCだるま』(愛称・だるちゃん)と、DCDと不器用について話していきましょう。

「こんにちは、だるちゃん!今日は『DCDと不器用』について話そう!私のようなDCD当事者は、動きがぎこちなくて不器用になってしまう傾向にあります。このことでどういった困った点があるのか、教えてみて!」

DCD啓発オリジナルキャラクター『DCだるま』

やあ!こんにちは!もちろん、一緒に話そうよ!

うんうん、そうだよね。「ぎこちない」って言われちゃうと、自分でも気になっちゃうよね。でもね、それはキミのせいじゃないんだ。脳からの指令が、ちょっとだけ迷子になりやすい「脳のタイプ」のせいなんだよ。

具体的にどんな困ったことがあるか、ぼくの周りの仲間たちの話も交えて教えてあげるね!

学校や子どもの頃に感じやすい「困った!」

まずは学校生活だね。ここでは「書くこと」や「運動」で困っちゃうことが多いんだ。

たとえば、字を書くときに鉛筆の力がうまく調節できなくて、手がすっごく疲れちゃったり、マス目からはみ出しちゃったりすることがあるよ。定規やコンパスを使うのも、両手を別々に動かさないといけないから、とっても難しいんだよね。

体育の時間もドキドキしちゃうよね。縄跳びみたいにタイミングを合わせる動きや、チームのみんなと動きを合わせる球技なんかは、どう動けばいいか分からなくなっちゃうことがあるんだ。それで「運動音痴」って言われたり、仲間に入れてもらえなかったりして、寂しい思いをすることもあるんだよ。

給食の時間にお箸がうまく使えなくて、おかずを落としちゃうのも、DCDのみんながよく経験する悩みなんだ。

大人になっても出てくる「あれれ?」

大人になってからも、不器用さが顔を出すことがあるよ。特に「マルチタスク」ってやつが強敵なんだ!

たとえばお仕事で、電話を受けながらメモを取るのって、すごく難しくない?耳で聞きながら、手で字を書くなんて、ぼくなら目が回っちゃうよ。書類をきれいに揃えたり、封筒に入れたりする事務作業も、指先が思うように動かなくて時間がかかっちゃうことがあるんだ。

他にも、飲食店のアルバイトでお盆にお水を乗せて運ぶとき、バランスが取れなくてこぼしちゃったりすることもあるね。車の運転みたいに、手と足と目を同時に使う作業も、とっても大変に感じることがあるよ。

不器用でも、工夫があれば大丈夫!

こうやって並べると「大変だなぁ」って思っちゃうかもしれないけど、落ち込まないで!これは「努力不足」じゃなくて、ただ「やりづらい」だけなんだ。

ぼくが「魔法のスプーン」や「結ばない靴紐」を使っているみたいに、便利な道具を使ったり、やり方を変えたりする「工夫(ライフハック)」で解決できることもたくさんあるよ。自分に合ったやり方を、ぼくと一緒に探していこうね!

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だるちゃん、いろいろ話してくれてありがとう!

いやぁ、DCD当事者として共感することばかりですね。私も特に子どもの頃は力加減をうまく調節できずに、鉛筆の芯を折ってしまった回数は数え切れません。図工や書写の際もうまくできなかったことを思い出します。

体育の授業に関しては忘れられない嫌な思い出がたくさんあります。このことは後日、特集をすることでしょう。

マルチタスクが苦手なのはまさにそうです。電話を受けながらメモを取ることが難なくできる人たちは私にとってはスーパーマンのように見えます。書類や封筒が関わる細かな事務作業も時間がかかるのです。飲食店でお盆を運びづらいことも共感しまくります。セルフサービスのお店だと、お盆を慎重に運ぶことに神経を使ってかなり疲れることがあります。車の運転も前回述べたようにペーパードライバーです!

私は一人で行動するときはこういった苦手なことはなるべく避けるのですが・・・、誰かと一緒に行動するとそうは行きませんよね。誰かの行動にうまく合わせていくことに困難さを感じることがよくあります。

周りが難なくできることが大変なことがある私のようなDCD当事者は、「なんでこんな簡単なことができないの」と不思議に思われることもあるかもしれません。ですが、私のような人々もいるのです。

DCD体験&学習アプリのご紹介

DCD(発達性協調運動症)体験&学習アプリ

こちらの私が制作した『DCD体験&学習アプリ』では、DCD当事者の感覚を擬似的に体験することができます。

DCD(発達性協調運動症)体験&学習アプリ

こちらの赤い丸を動かして、大きな青い丸を10回クリック(タップ)することが目的です。一見簡単そうですが、赤い丸が思うように動きません。

DCD(発達性協調運動症)体験&学習アプリ

結果的に予想以上の時間がかかってしまいます。私たちDCD当事者は、このように一般的に簡単だと思われる動作に時間がかかってしまう場合があるのです。この感覚を擬似体験できりアプリです。

DCD(発達性協調運動症)体験&学習アプリ

「DCDについて学ぶ」ボタンを押すと、このようにDCDについての簡潔な説明が表示されます。

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DCだるま 公式サイトのご紹介

DCだるま 公式サイト

『DCだるま』の公式サイトも作ってみました。よろしければ、こちらからご覧くださいませ。

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お読みいただき、ありがとうございました。

私の活動に関心がある方は、よろしければこちらからお気軽にご連絡ください!

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