1703.私も診断を受けている特性・DCD(発達性協調運動症)を広く知ってもらうべく、連載をはじめます。【連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~ 第1回】
2025/12/28
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新連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』
この度、私も診断を受けている特性・DCD(発達性協調運動症)を広く知ってもらうために新たに連載を始めることといたしました。
DCD(発達性協調運動症)とは
DCDは様々な運動を組み合わせて行う、いわゆる「協調運動」に困難を感じる特性です。
上にある画像の左下でもDCD当事者の具体例が老若男女様々な人々によって示されております。
「包丁で料理をする」「手書きで文字を書く」「駅の改札を通る」「服のボタンを開け閉めする」「靴ひもを結ぶ」「きれいに食べる」
こういった日常の些細な動作に著しく困難を感じて、生きづらさを抱える人々がいる現実があるのです。
DCD当事者である私の具体例
DCD当事者の私もこういった動作は平均よりはうまくできないことがよくあります。これらが積み重なることにより、周りの動作にうまく合わせられないことで良い人間関係が築けなかったり、うまく仕事ができなかったりするのです。
私が痛感しているのは、「車の運転」です。大多数の人々が問題なくできる車の運転ですが、私のような一部のDCD当事者にはこれが困難なことがあるのです。私が車の運転について深く書いた記事は、よろしければこちらをご覧ください。
私の場合は同じコースを繰り返して運転して取得する運転免許の取得はなんとかできましたが、その後、様々な道を他の車や歩行者に合わせながら臨機応変に運転していかなければならないことに強い困難を感じ、現在はペーパードライバーです。
このように、私はDCD当事者の中でも「他人に合わせて行動する」ことに深刻な困難さがある人間であると自己分析しております。人とうまく関わりたいのですが、関われない歯がゆさを日々感じております。人付き合いを避けているわけでは決してないのですが、それがうまくできないのです。
同じDCD当事者でも人それぞれ
同じDCDの診断を受けている当事者でも、その特性は人それぞれ十人十色です。例えば私は様々な人に合わせていく人付き合いで問題を抱えがちなのですが、人付き合いにそれほど問題がない当事者もいます。
また、DCD当事者の中には楽器の演奏やパソコンやスマホの操作に困難を抱える方もいますが、私はこれらは楽しく操作することができます。このように、同じ診断名でも特性の表れ方は人それぞれなのです。
オリジナルキャラクター『DCだるま』
本連載を始める上で、『DCだるま』というオリジナルキャラクターを制作いたしました。
「DCD」の3文字を使用してデザインしただるまのキャラクターです。愛称は「だるちゃん」です!
それでは、DCだるまに自己紹介してもらいましょう!どうぞ!
やあ、こんにちは!ぼくは「DCだるま」だよ!
はじめまして!ぼくの名前は「DCだるま」。みんなからは「だるちゃん」って呼ばれているよ。ぼくはね、「アルファベットの妖精」なんだ。誕生日は11月21日。「イイ奮い立ちの日」って覚えてね!
七回転んでも、工夫して八回起きるのがモットーさ!
ぼくのこの体、ちょっと見てみて。じっとしているのが苦手で、いつもゆらゆら揺れているんだ。周りの人からは「見ていて飽きない」とか「催眠術みたいで眠くなる」なんて言われることもあるけど、これでも一生懸命バランスをとっているんだよ〜。
それにね、歩くときはついつい右手と右足が一緒に出ちゃうんだ。まるでダンスしているみたいでしょ?本人は大真面目に歩いているつもりなんだけど、どうしてもこうなっちゃうんだよね。でも、そんな「ちがうやり方」もぼくのチャームポイントだと思ってるよ!
魔法のアイテムで、不器用だってへっちゃら!
実はぼく、とっても不器用なんだ。お箸を持つと手がプルプルしちゃって、うまくご飯が食べられないこともあるの。でも大丈夫!ぼくにはこの「魔法のスプーン」があるからね。これさえあれば、大好きなご飯もこぼさずに美味しく食べられるんだよ。
他にも、靴紐を結ぶのが苦手ですぐにほどけちゃうから、結ばなくていい「魔法の靴紐」を使ったりしているよ。苦手なことがあっても、「根性」で頑張るんじゃなくて、便利な道具を使って「工夫」すればいいんだって、ぼくは思うんだ。
ぼくたちは「脳のタイプ」がちょっと違うだけ
ぼくのこの不器用さは、「DCD(発達性協調運動症)」っていう特徴なんだ。これは単なる運動音痴や練習不足じゃなくて、脳からの指令が筋肉にうまく伝わらない、「脳のタイプ」の違いなんだよ。一生懸命指令を出してるんだけど、回線がちょっと混雑しちゃう感じかな。
実はね、クラスに1人か2人は、ぼくみたいな仲間がいるって言われているんだ。だから、もしキミが「なんでうまくいかないんだろう」って悩んでいても、ひとりぼっちじゃないよ。ぼくの「D」の形の耳で悩みを聞いて、「C」の形の口でニコッと笑って、キミの心を癒やしてあげるからね。
不器用だって、いいじゃない。ぼくと一緒に、自分だけの「工夫」を見つけながら、ゆっくり進んでいこうよ!
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だるちゃん、自己紹介ありがとう!
このように、『DCだるま』はDCD当事者によくある特性を持っています。一人ひとり特性は異なりますので、私もDCだるまと同じようなところもあればそうでないところもあります。
例えば私もじっと立っているよりだるまみたいにゆらゆら揺れたほうが心地よいと、このキャラクターを作りながら気付きました。
一方、『DCだるま』はスプーンを持っていて、箸よりスプーンのほうが食べやすいそうですが、私は箸を使うことが好きです。確かに不器用で食べ物をこぼすときもある私ですが、箸を使うこと自体は好きです。このように、DCD当事者でも様々な人がいることを知ってもらいたいです。
「5%」とは
本連載のタイトルは『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』です。
5%とは、全体におけるDCD当事者の割合とされる数です。
5%はつまり20人に一人。30人クラスであれば1人や2人いる計算となります。
DCDの特性は大人になるにつれ改善していく傾向にありますが、私のように大人になっても根強く特性が残って生きづらさを抱えている当事者もいる現実です。
DCDの概念はまだまだそれほど広く知られていません。私も小学5年生の頃にASD(自閉スペクトラム症)の診断を受け、ASDについては理解を深めてきましたが、DCDという言葉を知ったのは比較的最近のことです。
つまり、DCD当事者であってその不器用さで悩んでいてもDCDの概念を知らずに「なぜ周りと同じようにできないのか」と悩んでいる人々が多くいることが推測されます。
そんな私と同じような「不器用な人たち」がいることを広く知ってもらうためにこの連載を始めました。
初回ということもあり長い文章となりましたが、ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
これからもDCDについて『DCだるま』と一緒にいろいろと書いていきます!
DCだるま 公式サイトのご紹介
『DCだるま』の公式サイトも作ってみました。よろしければ、こちらからご覧くださいませ。
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お読みいただき、ありがとうございました。
私の活動に関心がある方は、よろしければこちらからお気軽にご連絡ください!
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