1301.【小説】或除者の独白 幼少期編 第26話
2025/03/26
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或除者の独白
幼少期編
第26話
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私は・・・特に幼少期に人間関係がうまくいきませんでした。というより、人間関係の築き方がわかりませんでした。・・・今もまだよくわかっていないことでしょう。
ほとんどの人が、特に人間関係の方法を学ばずとも「自然に」幼稚園や学校にいれば周りと仲良くできることが、不思議でたまりませんでした。
嗚呼、みんなどういう「秘術」、「忍術」または「魔術」を心得ているのか?と子どもながらに思ったものです。
こんな、そもそも人間関係を築く方法自体がよくわからなかった私ですから、皆さまの中でもおそらく職場や親戚などで苦労している方がいらっしゃるであろう「人間関係の難しさ」がどういうものかすらもある程度成長するまでよくわかりませんでした。
例えば、「共演NG」の意味が二十歳くらいまで全くわかっていませんでした。
当時の私は、「仕事なのだから、同じ場所で顔を合わせて共演するくらい当然のことであろう」という甘い考え方をしていました。
実際は皆さまもよくご存知の通り、いろいろな人間関係を経験すると「顔も見たくない」ほど嫌いな人がどうしても存在しうるのです。人間には相性がありますから。
かつての私はそもそも、人間関係に深入りすることができていませんでしたので、好きになる人もいなければ、嫌いになる人もいなかったのです。
・・・じゃあ寺石くんはどうなんだい、というどなたかの心の声が聞こえました。寺石くんは度々私をイジってきましたが、それは「いじめ」と言えるほど激しいものではありませんでしたし、嫌だなぁとは思ってもそれほど強く気にしてはいませんでした。
人を嫌いになるためにも、その人のことをよく知らなければなりません。しかし、当時の私はほとんど話さない子でしたので相手のことを知る機会もそれほどありませんでした。学校での思い出といえば、校舎内を歩き回っていたことが印象的でそれを夢に見るくらいですから。
こうして大人になった今でも、人間関係の方法はおそらくマイペースなものであることでしょう。ただ、いつも私を見守ってくれる母をはじめとする家族の理解や、私のことを理解してくれる人々と交流をすることで私なりに人間関係を構築しています。
こういう年齢の割には落ち着いた、静かな語り口も私の個性です。嗚呼、当時の私に、今の私がいろいろと考えてきたことを教えてあげたいものですね!
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つづく
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