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1267.【小説】或除者の独白 幼少期編 第10話

2025/03/10

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或除者あるのけものの独白

幼少期編

第10話

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私は今でもそうなんですが、当時は特にマイペースだったことを記憶しています。マイペースすぎて、他の人に合わせることができなかったのです。

小学校高学年になると、部活動のようなクラブ活動という時間が設けられるようになりました。部活動ほど本格的なものではなく、週に1度ほどの開催でした。

この中で、どのようなクラブに入るのかを選びます。やはり人気なのは「野球」「サッカー」「テニス」などのスポーツです。しかし私はスポーツ、殊に球技が絶望的に不得意でしたのでこれらは希望するクラブにおいて最初から除外しました。

第3希望まで選べるので私が選んだのは「謎解き」「昔遊び」「探検」あたりだったかと思われます。当時から好奇心旺盛だった私の性格が溢れたチョイスだと、我ながら思います。

しかし、ここで問題が発生しました。私が選んだ3つのクラブのすべてが、定員に達さなかったのです。定員に到達しないということは、そのクラブは実施されなくなります。3つ選んだのに、3つともですよ。なんということでしょう!1つや2つはそうなる子もいたかもしれませんが、私のように3つとも最低定員に達さなかったのは学年で私だけだったそうです。当時からマニアックなクラブを選んだものです。

ある程度の友達がいる「多数派」の子どもたちは仲間内で話し合って同じクラブに入っていった子もいたことでしょう。私はそういう友達なんていなかったので自分で考えてどこにするか決めましたが・・・、3つとも最低定員に達さないとは・・・。

当時から、私は周りの子と比べて感覚がズレていたのかもしれません。

ですが現在の私はこれすらも肯定的に捉えています。周りの人々にない独自の感性を持っているということは、場合によっては有用なこともあるでしょう。・・・、それを活かせているかどうかは自信がありませんが。

「おい真田ぁ!お前どこのクラブだ?」

クラスの人気者・寺石くんが全員にどこのクラブかわざわざ聞いて回っていました。

「・・・。」

極端に口数が少なかった当時の私は黙っていました。クラブが決まっていればそのクラブを言ったかもしれませんが、決まっていないのでどう言えばいいかがわかりませんでした。

「俺は野球クラブだ!」

寺石くんは何も言わない私に聞き直すこともなく、自分のクラブを言ってからすぐに去っていきました。私は動きがゆっくりしていましたが、寺石くんはそれと対照的に素早い子でした。

・・・次はこれからどうなったのかについて話していきます。

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つづく

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